英検

英検準1級を考える――「英語できます」と言えるレベル その難易度と学習法

英検の準1級を受けようと、決意された方、なんとなく憧れている方は多いと思います。そんなとき、実際英検の準1級ってどのぐらいのレベルなの? と疑問だったりするのではないでしょうか。今回はそんな英検準1級の話です。

語彙問題の難易度や、乗り越えるべき課題、学習法を考えていきましょう。

英検準1級のレベル

どのぐらい難しいのか

文科省の英語試験比較表によると次のようになっています。

CEFRのB2レベル

英検準1級
TOEFL 72~94
ILETS 5.5~6.5
ケンブリッジ英検FCE
TOEIC(LR&SW) 1560ー1840

参考:資格・検定試験CEFRとの対照表(英語四技能試験情報サイト)

「このぐらいのレベルである」というのは難しいのですが、準1級を持ってたら、ほとんど日本人よりずっとよく英語ができるレベルと断言できます。

海外旅行に行っても、駅やレストランでほとんど言いたいことは伝えられるはずです。トラブルにもほぼ対応できますし、簡単な洋書なら十分楽しみながら読めますし、映画を英語字幕で見ても、(難しいものを選ばなかったら)大体は面白シーンで笑ったり、感動シーンでジーンときたりできます。

中高の英語の先生になるなら、これぐらいはできなさいと文部科学省は定めているレベルでもあります。

(しかし、2017年の時点で、英語教員の準1級レベルの資格の取得率は、中学34%、高校65%となっています。これについて、詳しくは文部科学省の「英語教育実施状況調査」をご確認ください。)

中学はいざしらず、大学受験をする高校生に英語を教えるとしたら、少なくとも準1級ぐらいのレベルでないと教えるのは厳しいのではないかと思います。それぐらいのレベルでないと、例えば、入試の英作文とかを添削するとなったりしたとき、かなり苦労すると思われます。

ちなみに大学入試においては、一部の大学では英検準1級を持っていると、センター試験の点数を満点として換算してもらえます。満点=200点ですよ。

2018年8月現在で、国公立大学なら長崎大学や、国際教養大学などでは準1級でセンター満点扱いしてくれます。満点はなかなか実力があってもいつでもとれるわけではないので、1科目満点でカウントしてもらえるのは精神的にも全然違うのではないかと思います。

レベル的にはセンター試験の方が英検準1級より簡単ですが、英語で勝負する高校生は、目指す価値は十分にあると思います。

 

東大京大の学生は英検準1級ぐらいもってる?

おそらく東大や京大の1年生でも、準1級となると、せいぜい3割ぐらいか、多くても半分ぐらいしか合格できないのではないでしょうか。

これはぼくが勝手に予想しているだけで、定かではありません。しかし、京大生・東大生が入学時に受けるTOEFLのデータを見てみるとそんなものではないかと思います。

ほとんどの学生は入学したら英語の勉強なんて、必要に迫られない限りやりません。催告楽譜でもそうです。難関大学といえど英検準1級レベルの英語力がある人は、どちらかというと少数派だと思います

少なくとも、準1級を持っている人はセンター試験では毎回のように9割以上とれるでしょう。日本の大学入試において、準1級レベルの実力で合格点に到達できないような試験はありません。東大京大でもです。

京大や東大の入試問題を英検の問題と比べるのは難しいのですが、総合力が問われるのは英検です。確かなのは、準1級レベルの「英語力」があれば、少しの練習で東大入試でも京大入試でも合格点には達することができるでしょう。(京大の方が英検とのスタイルの差が大きいですね。)

日本人にとっては、準1級レベルはそれぐらいハードルが高いです。

これがヨーロッパの大学ともなると、国にもよりますが、大学生でこのレベルの英語ができないという人は逆に少数派だと思います。

日本と違ってヨーロッパは誰でも大学に行けるわけではないですし、(多くの国で、大学に行くだけで、もうそれなりのエリートといっていいかもしれません。)大学生はほとんど英語が話せます

狭い土地に多くの言語が混在しているヨーロッパでは、大学生は、自国語と英語と、もう一つぐらいは言語が使えて当たり前なことです。(オーストラリアやアメリカとなるとそんなこともないようですが。)



ネイティヴからみたら…

そうはいっても、準1級は、ネイティヴスピーカーなら子供でもまずほとんど全問近く正解できるレベルでしょうし、日本人の小学生ぐらいの子供でも合格している人はいっぱいいます。

(実際試験会場行ったら、準1級だろうと、1級だろうと、いますよ、子ども。普通に。わあ怖い。)

とまあいろいろ書きましたが、結論は、準1級=英語上級者への入り口といったところでしょうか。準1級持っていますと言えれば、「英語が得意です」と言ってもほとんどの場面では恥ずかしくないのではないかと思います。

 

準1級で乗り越えるべき課題3つ

あなたが英検2級レベルで、さあ、準1級を目指そうという時に、まず考えるべきポイントは、次の3点かなと思います。いずれも、ただ単に試験に合格するためだけでなく、英語がより上のレベルで「使える」ようになるために、必ず身につけないといけない事柄です。

1.何はともあれ、まずは語彙。

2.パラフレーズを意識して英作文を書く。

3.二次試験では「普通の」英語が「普通に」使えることを目指す。

これらがしっかり身につくと、十分楽しみながら英検準1級合格を達成できると思います。

それに、合格後もいろいろな場面で英語を実用的なものとして、人生に役立てつつ、さらに上のレベルを目指して学習を続けることができるのではないかと思います。繰り返しになりますが、試験に合格するのが目の前の目標ではあっても、学習の最終的な目的ではないということは、あらゆる語学において忘れてはいけません。

 

課題① Vocabulary is might. 語彙は力なり。

英検の代名詞、語彙問題は、やっぱり難しいです。準1級や1級の語彙問題を見て、「楽勝だ」などと言っている日本人は、変態か、天才か、変態な天才ぐらいです。そうでないとしたら残念な勘違い人間です。

2級レベルの人が見たら、おそらくほとんどの人がひるんでしまうのではないでしょうか。そのくらい準1級の語彙問題のベレルは2級のものから飛躍があります

各試験に必要と言われる語彙力は大体次の通りと言われることが多いです。

4000語 英検2級

5000語 センター試験

7000語 難関大入試

8000語 英検準1級

12000語 英検1級

こうしてみると、準1級は2級のおよそ2倍近くの語彙力が必要ということになりますね。

準1級では語彙問題の問題数も増え、「短文の空欄補充」25問すべてが語彙問題です。(単語21問+熟語4問)。

文法問題もいくつか含まれる2級と違って、準1級は、リーディングセクションだけ見ると、1級と全く同じ構成になります。問題文も英語になり、その問題からは、なにやら風格すら感じてしまうのは、ぼくだけはないと思います。(ぼくだけかもしれませんが。)

単語を覚えるなら、間違いないのは、王道中の王道、『パス単』です。英検準1級用の単語集はたくさんありますが、おすすめは、はやり、定番の『パス単』は安心感があります。

『パス単準1級』の最大の魅力は、シンプルなレイアウトで、英語上級者に必要な単熟語をしっかり網羅している点です。この『パス単準1級』は2級までのパス単と違い、全単語に例文が収録さており、さらに、多くの類義語が収録されています。

例えば、outrightという単語だったら、次のように類義語が載っています。

outright

① まったくの (≒ complete, entire, absolute)

② 率直な (≒ frank, candid, blunt, outspoken)

これくらい類義語の数が充実している単語集もあまりないのではないのではないかと思います。中には1級レベルの単語も結構入っていて、何周も学習することを前提に、長い目で考えると、こういった記述の充実はとてもありがたいです。

ぼくは、中級レベルの学習者におすすめの単語集はありますか、もし聞かれることがあるなら、『パス単準1級』だと答えると思います。それくらい誰にとっても有用な単語集に仕上がっていると思います。

『パス単』は『英単語mikan』というフラッシュカードアプリとも連携していて、このアプリがまたとても優秀です。単語の意味を覚えることだけに特化したアプリで、うまく活用すると単語を覚える時間を大幅に短縮できるはずです。

 

課題② 準1級=パラフレーズができる

パラフレーズとは、言い換えをすること、または言い換えた表現のことです。英検準1級となると、このパラフレーズが大切になってきます。英検の作文問題には、次の4つの観点があります。

観点(1)内容 
(課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているかどうか)

観点(2)構成 
(英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか)

観点(3)語彙
(課題に相応しい語彙を正しく使えているか)

観点(4)文法 
(文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか)

参考:ライティングテストの採点に関する観点および注意点(英検公式サイト)

観点(3)(4)が要求するのは、幅広い単語や文構造を含む作文ができるかということです。この高得点を狙うために必要なのがパラフレーズ力となるわけです。

たとえば、およそ、「よい・素晴らしい」や「たくさんの」という意味の表現として、どのくらい思いつくでしょうか。

「よい」good, nice, great

「たくさんの」many, a lot of

ぐらいなら多くの学習者がすぐ出てくると思います。準1級レベルとなると、こういった単語ばかり繰り返していると、いいスコアはでてきません

英検に限らず、英語で文章を書く作業全般において、同じ単語や文の繰り返しは避けるべきだとされています。

たとえば、YouTubeで「English Writing」とでも検索してみてください。多くの英作文解説動画が出てきますが、多くの動画で “Don’t repeat the same word.” といったことが言われています。

上の例だと、準1級レベルなら、できたら次のような単語を使っていきたいところです。

「よい」
wonderful, excellent, fantastic, amazing, magnificent, impressive, marvelous, sublime

「たくさんの」
a great [large] number of, a great [large] amount of, a great deal of, plenty of

同じ単語を繰り返すのでなく、必要に応じてより適切な語彙を使い分けることで、英語らしい文章を書くことができます。

パラフレーズという考え方は、ライティング以外でも重要です。リーディングやリスニングでは、問題文は基本的に本文をうまくパラフレーズしたものが正解の選択肢になってきます。スピーキングにおいても、あらゆる事柄を一瞬にして表現するためには、すばやく自分が言いたいことを、自分が知ってる言葉にパラフレーズするわけです。通訳の練習としてもパラフレーズの練習をすることがあると言います。

たとえば、次英文だったら、このようにいくつものパラフレーズパターンを思いつけるように練習するのです。

The Internet is a useful tool for learning.

↓パラフレーズ例

  • The Internet can be helpful when we learn something.
  • The Internet provide us with access to valuable information when we learn something.
  • The Internet enables us to learn a great deal of things easily.
  • Thanks to the Internet, it has become much easier to get information about your interest.
  • Our way of learning has been greatly improved by the Internet.
  • We can learn a great deal of things through the Internet.
  • Without the Internet, it would take considerable time to get information about what you want to know.

主語を変えたり、単語を変えたり、構文を変えたりして、様々な表現の手段を使いこなせるようになると、作文や会話で自在に特定のニュアンスを含めながら情報を「伝える」ことができるようになります。

リーディングのときも、本文をパラフレーズしながら要約したり、読んだものについて口頭で説明したりするなかで、パラフレーズ力を高めていくのは英語の表現力を磨く中でとても価値のあることです。準1級を目指す中で、是非練習して、身につけてほしいのが、このパラフレーズです。



課題③  2次試験は、普通の英語が普通に言えるようになるべし

英検準1級の二次試験は、4コマのイラストを渡されて、1分間の準備時間のあと、その内容について2分間まず一人で話さないといけません。その後で5分間ほど、そのカードの内容と、それ以外のことについて面接官と質疑応答をします。

準1級の面接は、誰でも知ってるような一般常識は知っておくべきですが、内容自体に高度な背景知識が必要とされることはありません。どんなことだろうと自分の意見がしっかり言えさえすれば、それほど恐れるほどの試験ではありません。

準1級を目指すと言うことは、それなりに英語が得意であるという方が多いと思います。そんな人が面接試験の練習をするときにで忘れてはいけないのが、英語の基本的な文が一瞬ででてくるかということです。

準1級の面接では(実は1級の面接でも)、中学レベルや高校1年生で習う程度の文がすぐに、正確に口から出てくるようにするのが、合格への近道です。

そんな表現はしってるし、作文なら書ける、という文でも「すぐに、正確に」となると、そうはいかない文も多いものです。まずは、上級者を目指すからこそ、基本にほころびがないかしっかり確認しながら学習すべきなのです。

スピーキング力を高める練習としては、『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』がおすすめです。こういった基本的な文を繰り返し何度も練習していく練習法をパターンプラクティスというのですが、その元祖とも言える本です。

英語の基礎を本当に固めると言う意味で、これ以上の書籍はまだないのでしょうか、とえるぐらい確かな内容の本です。多くの書籍でも紹介されているようなとても信頼に足る教材だと言えるでしょう。

『瞬間英作文』で文法の基礎を固めたら、アウトプットできる語彙を増やすことも、2次試験突破を大きく後押ししてくれることでしょう。

おすすめは、「アウトプットに特化した単語集」とあまり他に類を見ないコンセプトの『英単語ピーナッツほどおいしいものはない』というシリーズです。短いフレーズで、英単語を口からアウトプットする練習用につくられた単語集です。

この単語集は、レベルも結構高く、少し学習してもほんとうに「おなかいっぱい」となるぐらい内容は充実しています。このレベルが発信語彙として使えたら、かなりスピーキングでも表現の幅が広がるでしょうし、1級を受けることになっても十分耐えれるぐらいの基礎力は身につきます。

 

まとめ――準1級の丘を越えたところに…

英検準1級は、英語上級者になる人が誰でも必ず超えなければならない壁であり、英語を活用するという営みのエッセンスが詰まっている試験です。

トップの進学校なんかでは高校2年生ぐらいでも合格する人も多いみたいですが、どの年齢だろうと、準1級は確かに誇れる英語の資格です。これだけ英語を自分は勉強したという指標として自信にもなると思うので、多くの日本人に取得を目指してほしい資格だと思います。

準1級の語彙問題や面接試験を乗り越えたところに、また一段と豊かな英語の世界が目の前に広がることでしょう。

英検準1級~1級レベルのインプット→アウトプットを鍛える教材として、私のおすすめは、English Centralです。詳しくは以下の記事で。

 

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