IELTS

YouTube動画を使って「使える」英語を学ぶ――英検対策をもっと「楽しく」

YouTubeから英語学習に最適な動画を配信しているチャンネルを紹介します。金がなくても、本を買えなくても、ネットさえあれば語学はできる時代です。「ネイティヴがよく使う」とか「知らないと恥ずかしい」といった歌い込みのものではなく、もっと深く英語を理解し、使えるようになる練習に最適な動画チャンネルを紹介します。

Contents

語学に最適な動画…おすすめチャンネル3つ

今回紹介したいともう動画チャンネルは、次の三つです。

  • TED Ed
  • VOX
  • Kurzgesagt

まず、この三点に共通するのが、その動画のクオリティーの高さ、そして専門家監修の元の信頼できる情報であるということです。現代社会を取り巻く諸問題から雑学的な知識まで語学の勉強のみならず、教養ある人間になるための情報がいっぱい詰まったチャンネルになっています。

英検順1級以上やTOEFL、IELTSなどのアカデミックな知識と深い一般常識が必要な試験対策としてもおすすめです。特に準1級以上の英検は、こういった題材が多いので、ぴったりな教材と言えます。

1. 最高の学習ツール TED-Ed

TEDという名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。有名人のスピーチを集めた動画チャンネルとして、語学のみならず様々な方面で取り上げられる教材です。TED-Edとは、現代社会の多種多様なトピックや学校で習うような事柄を、専門家の監修の元、5分程度のアニメーション動画にまとめています

TEDのスピーチ動画は、素材のレベルが高いため、英語学習に活用するには、かなり高いレベルの英語力がはじめから必要ですが、TED-Ed動画1本の時間も短く、アニメーションで内容を同時に説明してくれるので、確かに内容は難しいですが、楽しんで学習できると思います。

このTED-Edの最大の魅力は、動画がカバーするジャンルの幅広さと、それぞれの動画のクオリティーの高さです。こういった素材が無料で使えるというのは、現代の学習者の特権であると思うので、利用しない手はないと思います。

とは言っても、元々はネイティヴ向けの教材なので、英語はもちろん容赦ないスピードで読まれます。そこは乗り越えないといけません。しかし内容は、英検でもTOEFLでも役に立つような多岐にわたるテーマが扱われているので、興味があるジャンルを選んでいくと、動画を見るのがやめられないというぐらい楽しく学習できるのではないでしょうか。

TED-edの動画の中でも、いくつかおすすめの動画をあげてみます。どれから見たらいいか分からないという方は、次の動画から見てみてください

① 【医療】Why is it so hard to cure cancer?
(どうしてがんを治療するのはそんなに難しいのか)

 

② 【科学】What are those floaty things in your eye? (目の中に浮かんでるこいつら、なに?)

 

③ 【歴史】Herodotus – the Father of History (ヘロドトス――歴史の父)

 

④ 【科学・テクノロジー】Just How Small is an Atom?(原子はどれくらい小さいのか)

 

⑤ 【数学】Why can’t you divide by zero? (どうして0で割ることはできないのか)

このレベルの動画が無料で使えると言うだけでも本当にありがたいことだと思います。字幕を表示することもできますし、これだけで無料・高品質のリスニング・シャドウイング教材になります。必要なのは、ネット環境と端末だけです。腰を据えた学習にも、気分転換にも、活用の方法はたくさんあっルと思います。

各動画にはTED-Edのサイトに、学校の授業で使えるような討論テーマが設定されており、各国の学生がそのテーマについて意見を投稿したりしています。こういったテーマを自分で考えてスピーキングやライティングの練習をすると、独学でアウトプットの徹底的なトレーニングができますこういったトレーニングを積んでおけば、英検1級の2次試験でも全く恐れるに足りません

例えば、上記の動画③Herodotus – the Father of History (ヘロドトス――歴史の父)のページには、次のような問いがTED側から投げかけられています。

How can students of history ensure that they do not fall prey to the partiality and mistakes of historians?
(歴史を学ぶ学生は、どうしたら歴史家にありがちなの偏見や誤解というものに陥らないだろう)
TED側が設定した議題の他にも、個人が投げかけた議題も複数あったりします。それぞれの議題には、世界中の生徒が自分の意見を掲示板スタイルで書き込んでいます。

自分で自分の意見を投稿してみるのも面白いのではないかと思います。とくに準1級以上の英検の英作文や面接では、こういったテーマについて自分の意見を表現できることが必須となります。

ぼくがこの教材を好きな理由は、これらの動画は、本当に想像力を刺激してくれるものであるからです。これはしっかり練り上げられた高品質の動画だからこそできることだと思います。

クリエイティヴな考えを助けてくれたり、面白い考えへの示唆を与えてくれるという点で、まさに語学の本質と結びついている教材だと思いますし、それゆえ、だれにでもおすすめできる教材です。

2. 国際社会に関することなら  VOX

VOXはアメリカのメディアで、その動画チャンネルは現代社会、特に国際社会に関するテーマの優れた動画を制作してくれています。

世界を取り巻く政治・経済・宗教・文化などのチャンネルが豊富で、トランプ大統領やブレグジット(イギリスのEU離脱)に関する動画など、改めて英語で学び直したいと言うときはこの動画チャンネルはとてもおすすめです。

英文が読まれるスピードは容赦ないので、試験用にきれいに加工されたリスニング音源よりは聞き取りにはずっと苦労するでしょうが、字幕や映像の助けを借りると、難しいですが充実した学習ができると思います。シャドーイングなどできるとスピーキング対策にもなると思いますし、さらに活用の幅が広がりますね。

 

How America became a superpower (アメリカはどうやって大国になったか)

 

3. 科学技術に関するテーマなら  Kurzgesagt

独特のアニメーションで、興味深い科学ネタについて解説してくれる動画はKurzgesagtです。厳密にはテーマは科学分野だけではなく、哲学や社会の話もあるのですが、中心はやはり科学をテーマにしたためになる話、面白い話という感じです。

Kurzgesagtというのは、ドイツ語で「簡潔に」ぐらいの意味の言葉で、元はドイツで制作されたものです。そのためこの動画チャンネルはオリジナルはドイツ語版ですが、英語版の方が当然ながらずっと多く再生されていますので、検索でも上位に出てくると思います。

ドイツ語を学習している方は、本家のドイツ語版と見比べてみても面白いと思います。(動画内の文字と音声が変わっただけですが、雰囲気は変わりますね。)

ブラックホールの科学や、進化とはなにか、といった科学の興味を引き立てるようなテーマから、遺伝子組み換え食品など、英検英作文・面接の重要テーマなど様々な話題を取り扱っています。どれも専門家の監修のもと、時間と手間をかけて制作された動画なので、学習効果はしっかりと期待できると思います。

 

Are GMOs Good or Bad? Genetic Engineering & Our Food (遺伝子組み換え食品は善か悪か。遺伝子技術と食品)

まとめ――自然な語学の姿は最新技術の中に?

動画サイト 動画平均時間 多いテーマ
TED-Ed 5分 歴史、哲学、文学、社会、経済、宗教、科学、数学など多岐にわたる
VOX 5~10分 政治・経済が中心
Kurzgesagt 5~8分 科学技術が中心

英検などの試験対策として語学を学習しながら、こういった社会全般への雑学的な知識がついていくというのは面白いものだと思います。

ほとんどの学習者は、言語学者のように英語そのもの研究対象としているのではなく、英語を何らかの手段として活用しようとおもっていることと思います。

これはともすれば見失いがちなことなのですが、英語を使って様々な分野の知識を得るという形で、自然と英語を「活用する」ことができたら、語学はもっと自然で、時代が変わろうと本来あるべき姿というものを失わないのではないかと思います。そういう意味で、動画を使った学習なども切り捨てるべきではないと思うのです。

なにより、無料ですしね。現代人、万歳です。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です