ケンブリッジ英検

【ケンブリッジ英検FCE/CAE/CPE】リーディング(Reading and Use of English)内容とポイント

ケンブリッジ英検について、今回は最初のセクションであるReading and Use of Englishについて考えていきたいと思います。通常の試験では、「リーディング」のパートにあたります。今回はCEFRのC1レベルに当たるCAEを基準に執筆しましたが、FCEもCPEもレベルは違いますが、CAEだけPartが1つ多い以外、内容はほとんど変わりません。

ケンブリッジ英検 Reading and Use of Englishの概要

このセクションは読解・文法・語彙を扱います。8つのパートから構成されており、試験時間は90分、配点は全体の40%です。全セクションで問題数も一番多く、配点もその分一番大きな割合を占めます。

内容的にはUse of Englishも短めの文章を扱うので、英検やIELTSなどの試験で言う「リーディング」セクションにあたります。

かつてはReadingと文法・語彙語法を中心に扱うUse of Englishは別々のセクションでしたが、2015年以来統一されました。(成績は別々に出てきます)

ケンブリッジ英検のReading and Use of Englishの特徴は以下の通りです。

・文法問題もそれなりにある
・配点が多い(全体の40%)
・設問の選択肢は紛らわしいものが多い

ケンブリッジ英検は、文法を直接訊く問題も一定数あります。CPEになってもです。現在、文法問題は日本の多くの試験から減少する傾向です。新センター試験も文法語法問題は廃止され、読解問題だけになると言われています。

一方で、CEFRの本家本元のケンブリッジ英検には、文法問題も一定数は出題されることは知っておいた方がいいかもしれません。

そして、このReading and Use of Englishセクションは、配点が40%と多めです。一般に多くの語学試験では4技能を均等に25%ずつの配点が基本です。英検やIELTSは各技能均等の配点です。

一方で、ケンブリッジ英検では「リーディング」にあたるReading and Use of Englishが40%で他の3技能(L/W/S)が20%ずつの配点になるので、読解の割合が大きいことも特徴です。

短文の書き換え問題であるPart 4以外はどれもある程度まとまりのある文章を読む要素が入った試験です。文章の内容は、アカデミックなものというよりは、日常に即した、エッセイ、紀行文、小説、新聞記事のようなものが多いです。

少しカジュアルな表現やイディオムも多く含んだ文章も珍しくありません。これは日本の英検とはすこし違う特徴だと思います。

ぼくの全体の印象としては、CAEは英検1級より文章を読むのは簡単だけど、設問に答えるのは同じぐらいかそれ以上に難しいというところです。

単語レベルの記述の要素もありますし、選択式の問題でもそれぞれの選択肢は非常に紛らわしいものが散見されます。細かいところまでニュアンスを区別して読解できていないと点数の取りこぼしにつながってしまうのが怖いところです。

 

全部で8つあるパート

ケンブリッジ英検の問題は、FCE, CAE, CPEどれもほとんど同じ形式です。全8パートで構成され、あの手この手で英語力について尋ねてくる問題がそろっています。

各試験での違いとしては、後述する問題のPart6は、CAEだけにしかありません。つまり、FCE/CPEではCAEのPart7,8がそれぞれPart6,7になるという感じで1つずつずれます。

ではそれぞれのパートの内容を見ていきましょう。

Part 1 長文の空欄補充(単語選択式)

Part 1は短めの文章の空欄に入る単語を、4つの選択肢から選びます。空欄は全部で8つあり、選択肢はすべて1語です。日本の英検の語彙問題と形式は似ています。

ただ、日本の英検の語彙問題では、選択肢が全く意味の異なる単語であるため、意味さえ知っていれば正解を選ぶのは簡単である一方、ケンブリッジ英検のPart 1では、選択肢がどれも似た意味なので、細かい用法・ニュアンスの区別がついていないと、どれも正解に見えてしまいます。例を挙げると次のような感じです。

日本の英検
1 defame   2  mediate  3  empower  4  transcend

ケンブリッジ英検
1 fully  2  Thoroughly  3  Wholly  4  Quite

ケンブリッジ英検ではCAE/CPEでも選択肢の語彙自体は超基本語彙も多いのですが、正しく使えないと正解を選ぶことができないといえます。

 

Part 2 長文の空欄補充(単語記述式)

Part 2では、短めの英文の空欄に入る単語を、自分で考えて記入します。8つある空欄になっている語は難しい単語ではなく、as, is, the, theirなど、前置詞・代名詞・接続詞といった機能語が多いです。

文法や構文、イディオムを知っていたら解答できるものが多いです。大学入試を経験してきた日本人には得点しやすいパートだと思います。

 

Part 3 長文の空欄補充(派生語を記述)

Part 3では、Part 2同様、短めの英文の空欄に入る単語を、自分で考えて記入します。

Part 2と異なるのは、8つの空欄に入る語の派生語が与えられていることです。与えられた語の品詞を変えたり、接頭辞・接尾辞を加えたりして、空欄を埋めていきます。

例えば、undetectableという語が答えの空欄には、detectという単語が与えられています。解答者は、文脈に応じて正しく語を派生させるわけです。

日本の英語教材ではほとんど目にしない形式ですが、単語集で単語を覚え、英文をそれなりに読んだ人なら、それほど難しいパートではありません。

このパートでは、単語を「英語→日本語」の一対一丸暗記で学習していたらなかなか正答が選べません。どれほど単語を有機的なつながりとして学習していて、普段から英語を読んでいるかが鍵になります。

 

Part 4 短文の書き換え(文の1部を記述)

Part 4では、与えられた短文を、指定された1語を使って書き換えます。大学入試や文法教材でおなじみの書き換え問題・ケンブリッジ英検版といったところでしょうか。

書き換える文は途中が空欄になっており、そこに指定された1語をそのまま使い、合計4~6語をつかって、英文を完成させます

記述式ですが、これも大学入試を経験した日本人には得点しやすいパートだと思います。場合によっては答えは1つでなく複数あることもあります。英文として正しかったらすべて正解と認められます。

形式こそ普通の書き換え問題ですが、頭を柔らかくして考えることが必要です。単に文法を聞くだけという問題はほとんどなく、英語を使う中で自然にパラフレーズ(言い換え)できるかを聞くという要素が強いです。

「この言い方、こうも言えるよね」、ということを考えたり、「どうしてここでこんな言い方をしたのかな」なんて考えながら普段から英語を見ている人はたのしめるのではないでしょうか。

Part 1~4は改訂前ではUse of Englishという独立した試験セクションになっていました。Part 5~8がいわゆる長文読解・リーディングセクションになります。

 

Part 5 長文の内容一致問題(選択式)

Part 5はオーソドックスな読解問題で、1ページほどの英文を読んで、本文の内容に関する内容一致問題に答えます。

日本の英語試験において、読解問題はほとんどがこの形式です。センター試験や英検などでもおなじみの4択式読解問題というわけです。問題は、文章のテーマに関するものもあれば、細かい点をつついてくるものもあり、細部まで正確に読み取る必要があります

正解だろうと真っ先に思ったものが違ったり、これは違うだろうというものがよくよく読んでみると正答であったりと、本当に注意力が要求されます

個人的には、このセクションは、センター試験の現代文の問題を英語でやっているような感じで、かなり神経を使う試験だと思います。本当に、どれも正解に見えるなんて選択肢はやめてほしいもんです。

なかには簡単な問題もあって、どう考えてもこれが正解という問題もあります。またひっかけ問題も多いです。回によって問題の解きやすさは結構違うので、何度も練習をやっておく方がいいでしょう。

 

Part 6 意見文読解(選択式)

Part 6は、4人の人物があるテーマについてそれぞれ記した意見文を読んで、4つの設問文に該当する人物をそれぞれ選ぶという問題です。

FCE, CAE, CPEの中で、間の試験であるCAEだけこの問題があります。FCE, CPEにはなぜかこの問題はありません。

意見文の要約というと従来のセンター試験にも同様の問題がありますが、こちらは意見文の要約をするような問いもあれば、意見の非常に細かい点をついてくる問いもあるので、注意が必要です。

誰と誰が同じ考えを持っていて、誰は誰とどの点で違う考えをもっているのか、という点までしっかりと意識を向けながら読んでいく必要があります

問いは4つだけなので、Readingのパートでは一番配点が低いところです。

 

Part 7 長文の段落補充(選択式)

Part 7は長文の段落補充です。1ページほどの、1段落ごとに次の段落が空欄になった長文を読んで、空欄の段落にふさわしい文章を選択肢から選びます。空欄は全部で6つで、選択肢には1つだけどの空欄にも入らないダミーがあります。

段落のつながりがしっかり把握できていたら、それほど難しい問題ではありません。選択肢の文章に含まれる代名詞や接続詞に注意していくと、正解は見えてきます。東京大学の入試でも同様の形式の問題が度々出題されている点も、興味深い点だと思います。

時々、文章自体がとっても読みにくい文章であることがあって、そんな文章にあたったらかなり時間がかかります。

CAEとCPEでは段落補充ですが、FCEでは長文内の空欄に入る1文だけを補充する形式です。こちらの方が選択肢を読む量が少ないので取り組みやすいです。

この問題はやりかたはそれぞれで、最初に全部空欄を飛ばしながら読んでいく人と、空欄が出てくるたびに選択肢の文章を読んでどれが当てはまるか考える人がいるようです。

どちらがいいのでしょう。ちなみにぼくは最初に空欄飛ばして1回読んで、2回目ではじめて選択肢に目を通します。

 

Part 8 長文内の段落一致(選択式)

Part 8は4つの段落からなる文章について、「筆者は…と述べている」という短文が10あり、それぞれの文が、もとの文章のどの段落で述べられているかを選ぶ問題です。正誤問題ではなく、設問はどれも真です。

そこからそれが述べられた段落を選ぶだけなので、一見簡単そうに見えますが、ひっかけや細かい設問も多いので、見た目ほどは簡単にはいきません。

例えば、「筆者は別の職業について述べている」という設問があったら、これが1~4段落のどれで述べられているかを選ぶだけですが結構ひっかけの要素もあったりします。

同様の形式はIELTSでも見らますが、日本の試験ではあまり見かけない形式なので、ちょっと戸惑うかもしれません。とはいっても、慣れてしまえばそれほど難しくはありません。

問題は10問とこのセクションでは一番多いですが、配点は1問あたり1点と他の読解問題の半分です。(Part 5~7は1問2点)

 

まとめ――要はパラグラフリーディング

以上がケンブリッジ英検のReading and Use of Englishセクションの内容です。とくにPart 5以降の読解問題は、すべてのパートにおいて、各段落に何が書かれているかをしっかり理解しながら読んでいく精密なパラグラフリーディングが必要です

問題パターンはいろいろですが、特に本格的な読解を扱うPart 5以降は、パラグラフに何が書いてあるか分かったら、正解を選べるようになっています。要は、「このパラグラフはこれが書いてある」ということが大きく掴めて、さらに細部まで読み込めていたらいいのです。

どのパートでも、問題文は1ページ程度と、このレベルの試験としては短い方だと思います。どの問題もそうですが、要は文章がちゃんと読めていればいいのですが、なかなか難しい問題もあります。

とはいっても、このセクションは、読解や文法は大学入試で慣れ親しんだ人も多いと思うので、ケンブリッジ英検の中では、最も日本人が得点しやすい分野だと思います。言い換えると、特に他のセクション(特にリスニング)はさらにしっかりした対策が必要になるということです。

日本語で書かれた本で、イギリス英語に親しめるものは、以下がおすすめです。ケンブリッジ英検のリスニングよりはずっと簡単ですが、さまざまなバリエーションがあるイギリス英語に慣れるという点ではおすすめです。

 

POSTED COMMENT

  1. […] (一方で、リーディング・リスニングはケンブリッジ英検の方が同レベルの英検より難しいと感じることが多いです。詳しくはリーディングとリスニングについての記事を参照) […]

  2. […] リーディングセクションについて詳しくはこちら。 【ケンブリッジ英検FCE/CAE/CPE】分野別解説――Reading and Use of English […]

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です