こんにちは。Kazetori(@kazetori2 )です。
「英語さっぱり分からん。文法大嫌い。」(でも英語できるようになりたい。)
そんなにぴったりの参考書があります。『ユメブン』という本です。
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「文法とは何か」をまず考える

文法とは、ある言語を使うルールです。そしてその集成のことです。英語を読んだり書いたり・聞いたり話したりするためには、このルールが頭に入っていないといけません。
言語というものは、多くの人にとっては、「道具」です。言語を「道具」として「使って」、人が言っていることを理解したり、自分が言いたいことを表現するというのが、本来あるべき言語との付き合い方のはずです。
そして、その言語という「道具」の「使用法」みたいなのが、文法です。
言語がスマホだとしたら、ここをこう操作したら、このアプリが開いて…みたいな「使用法」の決まりのことが文法です。「道具」を使いこなせるかは、この「使用法」をしっかり身につけておかないといけません。
スマホを始めて使ったときは、時には説明書を読んで使い方を学んだり、時には、よう分からんけど、とりあえず操作してみてなんとなく使えるようになっていったりしたのではないでしょうか。
使用法が誤っていたら、道具は全く役目を果たせません。英文法も同じです。言語という巨大なツールを使いこなすための「使用法」を全然備えていない人は、言語なんて扱うことはできません。
言語とは巨大なツールです。それ一つで自分以外の人間ととコミュニケーションがとれるのですから。だから、多くの人が何年、何十年かけて言語を学びます。
母語でも、1日中聞いているのに、自由に話せるまでは、数年かかります。
文法学習で大切なこと

そう考えると、文法学習は、覚えることも多く、大変に決まっているという考えを抱いてしまうかもしれません。現に、多くの学習者は文法学習にかなりの時間をかけますが、なかなか英語が使えるようにはなりません。世の中の文法書はどれも分厚く、その結果、文法は退屈、だとか、覚えること多過ぎといった印象を持っている人も多いです。
その印象はある意味その通りなのですが、一方で、間違いだとも言えます。文法書は分厚いですが、実際に身につけ使いこなせるようにならないといけない文法のエッセンスは実はそれほど多くありません。
少なくとも、言語というツールの巨大な使用範囲を考えると、文法というものは、かなり効率的にできています。できるだけ最小限の規則で、最大限のことを伝えることができるようになっているものです。
基本的なことを知っていたら、かなり多くの場面で応用が利くものです。
スマホの使い方だって、ホームボタン、戻るボタン、フリック、長押しの機能などは、どのアプリを使っていようとなんとなく分かるものです。多くの人は、スマホなんて、普通に使えたら十分だと思っています。
言語だって、普通に使う分には、基本的な機能をしっかり使えれば、かなりの場面には対応できるのです。疑問文はどう作るとかは、時制が変わろうと、主語が変わろうと、助動詞を使おうと基本的には同じです。名詞をどう説明するかなんてのも、不定詞・分詞・関係詞どれをつかおうと、根本の考え方は同じなのです。
(もちろん、とことん専門的に深く突き詰めると、どこまでもマニアックにはできます。スマホを使うとき、プログラムを解析して、その機能を根掘り葉掘りいじくり回して…、みたいなことをするなら辞書のような分厚い教科書が必要になるでしょう。英語にも言語学的レベルまで突き詰める学問も存在します。しかし、それはあくまで専門家の仕事です。一般人は、その専門家たちがわかりやすくまとめたエッセンスだけを身につければいいのです。)
大切なのは、エッセンスを見極めて、それをしっかり身につけて、自在に使えるようになることです。
世の文法書はどれも分厚いですが、一方で書店には「中学英語で話せる」といったコンセプトの本も並んでいます。英語は中学英語で話せる、というのはなんとも当然のことです。中学校で習うのは、英語のエッセンスだからです。
高校に入ったら、一気に英語の授業が難しくなるという印象を持つ人も多いでしょうが、高校文法(そんなものがあるとしたら)だって、中学レベルのエッセンスを1周り大きくしただけです。
とにかく基本を徹底的に練習して言語を使うための血や肉としていかないといけないのです。
語学ができる人に、基本を大切にしない人はまずいません。どれだけ基本が大切か知っている人でないと、語学ができるようにはならないものです。
そして、基本を「徹底的に」「瞬間的に」使いこなせるようになって高校を卒業する人なんて、ごくごくわずかです。6年かけて本格的に英語を学ぶのに、です。
文法教材はいろいろあって、好みのものを選べばいいと思いますが、もし英語が苦手であるなら、「基本が徹底的に身につく」というコンセプトのものをおすすめします。そういった類いの本は案外少ないです。
『ユメブン』と、ある生徒のこと
その類いの本でおすすめなのが、キムタツ先生の『ユメブン』という本です。その第0巻(中学総復習~高校入門レベル)は、英語が苦手だけどできるようになりたいというすべての人にお勧めできます。
この本について、私にはこんな思い出があります。
学生時代、個人経営の小さな塾で英語を教えるバイトをしていました。そのとき担当しした生徒さんが、英語が苦手でとことん苦手という男の子でした。浪人生でしたが、現役の時のセンター英語は38点(200点満点)という点数でした。
4択問題がほとんどのセンター試験で30点台はかなり厳しい点数です。4択なので、全部①の選択肢を選んでも(理論上は)50点近くとれるはずですから。
schoolといった単語も書けないし、be動詞の活用も危ういという感じでした(志望は国公立大学)。
そんな生徒さんに1年間週2回、毎回2時間英語を教えるというのが、初担当の仕事でした。
そこで使うことにしたのが、キムタツ先生の『ユメブン(中学総復習~高校入門レベル)』でした。
この本や単語集、過去問などを使って1年間英語(とその学習法)をあれこれと教えました。そして最終的には、その彼はセンター試験で130点を取ることができました。彼の英語をどうにかしたいという思いと、この『ユメブン』という本のコンセプトがとてもうまくかみ合って、大きく1年間で英語力を飛躍させることができたのだと思います。
『ユメブン』の内容と使い方
以前、同じくキムタツ先生の『ユメタン』という単語集を紹介したことがあります。徹底反復という語学において当たり前に必要な要素を最初から使い方に盛り込んだ単語集であるという点が斬新だと、そのときの記事に書きました。
この『ユメブン』も同じく、英語の基本を徹底反復するようにキムタツ先生がうまくコーチングしてくれています。各ユニットの内容を7つのステップに渡る問題や練習で徹底的に反復しながら身につけることができるようになっています。
各ユニットには、TARGET SENTENCESという例文と7段階のドリルが収録されていて、例文を7段階(意味理解~瞬間英作文まで)に練習しつつ、7回のドリル問題を解いていくように配列されています。
多くの人は、文法の学習をするとき、例文を見て、説明を読んで、4択問題やかっこを埋める問題を少しやって、その上で英作文問題をやって終わり、というサイクルを経験すると思います。
この本もそういった配列でありますが、問題の量が違います。まさに徹底反復できるような量です。
ただ、この量の問題があっても、基本をもっと徹底的に身につけたいなら、この本を1周するだけでは足りません。何周もして、ドリルの問題もすべて瞬間的に英語が出てくるまで徹底練習する必要が(本当は)あります。
そこまでやると、本当の意味で英語の基礎が身につくと思います。英語学習において何よりも大切な基礎を徹底的に身につける本です。特に英語が苦手だという人が、英語から縁を切ってしまう前に、是非手に取ってみてほしいと思うような本です。
まとめ――文法をものにする

基礎を大切に、というのはどんな分野でも言われることですが、英語において、本当に基本的な要素を身につけるための教材というものは案外数が少ないです。
分厚い文法書を1冊読んだところで英語は使えるようにはなりません。3回読んでも無理です。10回読んでもまあ無理です。
『ユメブン』は、英語のエッセンスをできるだけ抽出した形で、徹底的に練習できる教材です。マニアックな知識を問う問題には対応できないかもしれませんが、普通の英語力があるか尋ねる問題には、かなりこれだけで対応できるはずです。
なにより、この本のいいところは、英語が苦手な人で、どうにかして英語ができるようになりたいという人に文法学習の本来のあり方を教えてくれる点です。基本が大切。そしてそれを使えることが大切ということです。
そして、この本を(最初はいやいやながらでも)なんとかやりきった人は、英語に対する考え方も少し変わっていると思います。分かることは確実に増えているはずですし、なんとなく英語の仕組みが身についているはずです。
この仕組みみたいなものを身につけたら、あとは、どんどん英語学習への抵抗は薄らいでいくと思います。スマホの操作でも、各ボタンの機能やフリック・長押しなど一連の基本事項を無意識なまでに使えるようになったら、複雑な操作もその応用でできていくものです。
というわけで、多くの中学生高校生や大人におすすめできる『ユメブン』を紹介しました。
最初の方を見て、あまりに簡単すぎると思う人もいるかもしれません。ただ、最初の方は簡単すぎるぐらいの方が、実際にやってみたらちょうどいいと思います。ほとんど分かっているけど、瞬間的には使えないという段階の人は、是非手に取ってみてください。
本格的な高校文法なんて、これに本の一回り後付けするだけです。
なんてことないもんです。