英検の申し込み期間が始まりましたね。いろんなところで聞いて、飽きつつあるいい方ですが、「平成最後の」英検です。ということで今回は、英検1級のリーディングセクションに関して、内容と学習法を改めて考えたいと思います。
英検1級とは
英検1級は、言わずと知れた、英検(正式名「実用英語技能検定」)最高の級で、合格率10%前後、年間合格者数3000人ほどと言われる難易度の高い試験です。
難易度について、詳しくは、以前の記事を参照ください。英検1級を考える――ネイティヴでも難しい神話、誰でもとれるという噂について
1級になると一気に教材の数も限られるため、対策は難しいと感じるかもしれませんが、実際には英検は決まり切った学習でもある程度スコアを上げることができる試験です。
筆記の試験時間は100分で、英作文に30分かけるとすると、リーディングにかけられる時間は70分ほどとなっています。合格点は7割程度の正解率とされています。
リーディングセクション概要
リーディングセクションは、大きく分けて、語彙問題と長文読解の2つから構成されています。
語彙問題は、25問で、そのうち21問が単語問題で、4問が熟語の問題です。
長文読解は、全部で5つの文章を読みます。最初の2つは長文の空欄補充で、後半3つは長文の内容一致問題です。
語彙問題25問、長文問題16問から構成されます。解答方法はすべて4択のマークシート方式です。配点は明らかにされてません。すべての問題で均一の配点にはなっていないかもしれません。数が少ない長文問題の方が1問あたりの配点は大きくなっているなんてこともあり得ます。
ちなみに、私が前回受験した際(2018年第1回)の正答数とスコアを参考までに。
語彙問題 23/25問(92%正解)
読解問題 13/16問(81%正解)
合計36/41問(88%正解)
リーディングCSEスコア728/850(86%)
正答数の割合は88%で、スコアは86%になっていることを考えると、読解問題の方が若干CSEスコアに与える影響が大きいのかもしれません。この辺は正直よく分かりません。
各パートの内容と学習法
ここからは各パートについて見ていきましょう。
①語彙問題
英検の代名詞、語彙問題です。英検1級の語彙問題は12000語から15000語の語彙力が必要とされる難易度の高いものです。
実際に2018年の過去問を使ってどのぐらいの語彙力が試されるか分析した記事はこちら。
実際、1級に興味はあるけど、手は出さないと言う人の多くは、この語彙問題にひるんでしまっているというのが原因である気がします。英検の語彙問題は同レベルの他の試験に比べても1ランクぐらい上の知識が要求されます。高校の英語の先生からも1級は無理という声はよく聞かれます。曰く、あの語彙問題は、無理、というわけです。
そんな語彙問題ですが、最高の対策があります。
もちろん、単語を覚えることです!!!!!!
語彙問題を確実に乗り切る方法、それは、単語覚えるしかない、そうでしょう! わーい。
語彙問題はひるみますが、実際に1級用の単語集を手にして、学習を初めて見たらなんとかなるもんです。少なくとも準1級レベルまではたどり着いたという人なら、学習の仕方もそれなりに身についているはずです。単語もそれなりに覚えてきた人でしか準1級レベルには到達できません。その努力を1級レベルまで続けるだけです。
1級まで学習を続けるかどうかは、実際に1級用の単語集に手を出すかどうかの差が大きいと思います。問題を見ただけでひるまず、まずは単語集に手を出してみてください。そのうちなんだか1級とれそうな気がしてくるかもしれません。
下から見上げる山は高いですが、上に登ってみれば,たいしたことはありません。すべての学習に言えることかもしれませんが、英検1級も決して例外ではありません。1級とりたいな~と思っているだけなのと、実際に何かやってみることの差は大きいです。この差だけでも埋められたら、あとは気力と忍耐だけです。
大丈夫です。子どもでもとっています。実施試験会場行ったら、1級だろうと子どもいますよ。おーい、君も1級受けるのかい?奇遇だね、ぼくもだよ(大人だけど)、という感じです。
単語学習におすすめな教材は何せ『パス単』です。
この『パス単』は英検に出る単語を多く網羅しているので、この単語集の単語を覚えるだけで、合格点に届くと思います。語彙問題は20問ぐらい正解すれば、読解でずっこけない限り合格安全圏だと思われます。まずはそのラインを目指して『パス単』を覚えましょう。
シンプルな単語集なので、飽きもこずに学習が続けられるでしょう。暗記の効率を上げたいなら、アプリ版の『英単語mikanパス単1級』をダウンロードすることを強くおすすめします。この『パス単』と『mikan』アプリは単語集とスマホアプリの組み合わせとしてはこれ以上のものはないというぐらい、最強のコンビだと私は思います。うまく使えば、『パス単1級』の単語を一通り頭に入れるぐらいなら1ヶ月もあれば十分というぐらいに効率化できます。(本当に)
『パス単』だけでは不安と言うときは、1級単語本のもう一つの定番『究極の英単語vol4超上級の3000語』を使いましょう。
『パス単』にはあまり収録されていない日常的な語彙やアカデミックな語彙なども多く、これらの単語集をどちらも覚えてしまうと、英検1級の語彙問題といえど、分からない問題はほとんどなくなると思います。
特に『究極の英単語』の方は、洋書を読んでいても出会うような語彙も多く含まれている音で、洋書を読んだり映画やドラマをみるのがより楽しくなるような学習ができます。
②読解問題
読解問題は、どれも1ページほどの長さで、1級を受験するレベルの人なら、語彙問題よりは対策がしやすいと思います。
5つの文章のうち2つぐらいは毎回読みにくいなという箇所があったり、解答を選ぶときにまよったりする問題があります。
英検の問題は、正解の選択肢以外はまったく違うということを言っていることがほとんどなので、文章が読めていさえすれば、ほとんど読解問題は正解できます。そのため、読解の対策は、とにかく問題文が時間内で理解できるまでの読解力をつける必要があります。問題形式も極めてシンプルなので、特別に試験に特化した対策はいりません。とにかく読めるようになることです。
そういうこともあって読解問題には、対策本などはあまり良いものがありません。旺文社の読解問題集は1級長文に特化した唯一の教材ですが、あまり効果があるとも思えません。過去問があれば十分だと思います。
読解はとにかく普段から英語を読んでおくこと、これに限ります。
かといって、どんな本でも良いかといえば、そうでもなく、やはり英検に出そうな語彙や内容を含んだ文章を普段から多読しておくとよいでしょう。
やはりおすすめは、『TIME』や『The Economist』などの洋雑誌です。『Japan Times』などの新聞でも良いでしょう。お金はかかりますが、なにより英検と相性のよい話題、テーマを扱うので報道英語は一番手っ取り早いです。
英国BBCのサイトではニュースが無料で見れますが、紙媒体で良質な記事を購読するには、やはりお金がかかります。値段的にコスパがいいのは『TIME』です。定期購読では1号あたり300円台で読むことができます。
安いとみるか高いとみるかはそれぞれですが、記事の質と学習効果を考えると高コスパだと思います。
なかなか洋雑誌購読が続かないという人は(私もそうでした)、もっと気軽な本を読んでみても良いと思います。私の一押しは、以前の記事でも紹介しましたが、John Farndon著の “Do you think you are clever?” という本です。この本も英検と非常に相性がいい本で、しかもニュースよりは楽しく読めます。私も1級受験前に気楽な気持ちで読んでました。
過去問やいろんな対策本に飽きたという人は、結構おすすめです。続編も翻訳も出ているので、長続きしやすいと思います。
まとめ
英検1級のリーディングはなにより語彙問題が手強いので、そこを攻略するのが合格の鍵です。そこさえ切り崩せていけば、気分的にも実力的にもあとはその流れで継続するだけで済みます。
そして現状、そこまで行く前に英語学習をやめてしまうという人の方が圧倒的に多いのも事実です。
英検1級はゴールではなく、まだまだ通過点だと私は思っています。
実際には、1級を持っていても、知らない単語なんていくらでもあります。ネイティブならこどもでも知ってるけど、私が知らない単語なんていくらでもあるはずです。
それでも日本では1級はそれなりに価値がある資格であることは変わりありません。
そんな英検1級に楽しく学習し、合格し、楽しくさらに学習をつづけていけるような方法をこれからも考え、もっと多くの方と共有したいと思います。
[…] 語彙問題を含む英検1級リーディングセクションについて詳しくはこちらの記事。 【英検1級リーディング】難易度・内容と学習方法 とにかく「単語集に手… […]