語学の友として、辞書は必須ですが、なかなか選ぶのは難しいものです。特に英語の辞書なんて選択肢が多すぎて、なかなかどれを選んだらいいか分かりません。最近はオンラインの辞書で便利なものもたくさんあって、ありがたい限りです。今回は、無料オンライン辞書について考えました。
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オンライン辞書の魅力
オンライン辞書のメリットは、いろいろありますが、次の点が大きいと思います。
・スマホさえあれば、どこでも使える
・収録語数が多い
・最新の語彙にも対応
オンラインの辞書を使うのに必要な設備は、ネット環境と端末だけです。スマホさえあれば、十分です。いつでもどこでも、一昔前では考えられなかった量の情報にアクセスできるので、語学でもこれを利用しない手はありません。
オンライン辞書は収録語数の点でも、紙辞書を超えるケースが多いです。紙の辞書(それを収録した電子辞書)は限られた紙面で単語を収録しないといけないので、よっぽど使わないような単語や、専門用語、一般的でないスラングなどは収録されない傾向があります。
辞書全体のページ数や重さなどを考慮して、収録内容を調整する必要が紙の辞書にはありますが、オンライン辞書にはこの心配がありません。例文もその単語の使用例にひっかかるものの数だけあります。これは、紙の辞書では太刀打ちできません。
また、オンライン辞書は、一般的に紙の辞書よりも新語への対応が速いです。紙の辞書に新語を追加するにはそれなりのプロセスをへて、数年に1回の改訂で新語を追加しますが、オンラインの場合は、毎月のように新しい語を追加してくれます。言語が日々変わりゆくものであることを考えるとありがたい機能です。
こうして考えると、オンライン辞書を語学で使わないという選択肢はないように思います。私は語学をするとき、紙の辞書(『ジーニアス英和辞典』『ロングマン現代英英辞典』)とオンライン辞典を組み合わせて使っています。
私はどちらかというとアナログ人間なので、紙の方が学習はやりやすいのですが、移動先やとっさに単語の意味さえ分かれば良い場合などはオンライン辞書を使っています。
ちなみに電子辞書は使っていません。値段を考えると、電子辞書はスマホには勝てないのではないかと思います。端末の完成度、汎用性はスマホの圧勝だと私は思っています。辞書は紙でじっくり読むか、オンラインでさっと調べるかというのが私の今のスタイルです。
以下は、私が使っている、おすすめオンライン辞書について使い方や便利な機能を紹介します。
Weblio オンライン辞書と言えば
オンライン辞書の代名詞、Weblioです。普段使いのオンライン辞書としては一番おすすめです。Googleで英単語などを検索したとき、一番最初に検索結果としてでてくるのはほとんどの場合Weblioのその単語のページであったりします。

魅力は語数・用例数と新語対応
この辞書の魅力は、なんと言っても収録語数が多いことです。新語にもばっちり対応しています。収録語数は、2018年12月時点で、1088万語となっています。収録語数のカウントの仕方は辞書によって実はさまざまでなかなか同一の基準で比べるのは難しいのですが、Weblioの語数は圧倒的です。
ジーニアスが10万語程度を収録していることを考えると、オンライン辞書のキャパの大きさが実感できるでしょう。これがWeblioの最大の魅力となっています。
Weblioは単に意味を調べる以外にも、例文検索も充実しているので、自分が使いたい表現を検索してみて、そういった使い方が実際にあるか調べるのに役立ちます。
ホーム画面には、辞書以外にも、語学に関するコラムや語彙力診断テストなど、学習に役立つ項目がたくさんあります。語彙力診断は自分の語彙力を簡単に知ることができる便利な機能なのでやってみることをおすすめします。
総合診断の他、英検、TOEFL、TOEIC、大学入試などの各種試験にはそれぞれ専用の語彙力診断テストが用意されています。テストに向けて単語を覚えて、定期的に語彙力診断テストをやってみたら、自分の語彙力が確実に成長していることを確認できて、モチベーションにもつながります。
普段使いには「ターボ検索」がおすすめ
このようにメリット多いWeblioですが、難点を挙げるとするなら、ページが雑然としていて見にくいという点です。項目が変わるごとに広告が入ったり、あまりに多くの情報があるため、ごちゃごちゃしている印象を受けたりまします。
時に、単語の意味を知ることだけが目的の時なんかは、ごちゅごちゃいろんな情報はいいから、語義だけすっきり見たいと思うこともあるでしょう。そんなときは、「ターボ検索」モードをおすすめします。

「ターボ検索」は無料で会員登録をしたら使えるようになる機能で、その名の通り、単語の意味と簡単な用例だけを、高速で表示してくれるモードです。検索ボタンのを押さずとも、入力しているうちに候補をどんどん出してくれるので、かなりストレスフリーな辞書として使うことができます。
熟語やイディオムも出してくれるので、とっても便利です。もっと例文が必要なときは、その単語をクリックすれば、Weblioの本来のページに飛んでくれるので、そこでより詳しい用法などをチェックすることもできます。
ターボモードはちょっと分からない単語を調べたりするときに一瞬で単語を表示することができるので、普段使いには重宝します。無料の会員登録が必要ですが、かなり便利なので、おすすめします。
ちなみに私はブラウザのホーム画面をこの「Weblioターボ検索」にしています。知らない単語を調べたいときは、ブラウザを開いて入力したら、検索ボタンを押すまでもなく単語の意味が表示されます。これは便利です。普段使いにはもってこいの機能になっています。
英辞郎 見やすさとSVL表示が強み
アルクの英辞郎は、Weblioとならんで、広く使われているオンライン英語辞典です。使い方は、基本的にWeblioと同じく、ホーム画面に調べたい単語を入力して検索するというシンプルなものです。
英辞郎のおすすめポイント
英辞郎の良い点は、次の通り。
・見やすい画面
・用例やコロケーションがすぐに出る
・アルクSVLのレベルを表示してくれる
英辞郎の画面は色使いやレイアウトなどがすっきりしていて、Weblioのごちゃごちゃ感もなく見やすいです。単語の語義説明も普通の辞書のように、しっかりとしていて、かつ見やすくなっています。
品詞の表示や発音記号などもみてすぐに分かるようになっていて、使いやすいと思います。例文はあまりりなく、単語の語義の後には、その単語をつかったコロケーションが続くという感じです。アルファベット順にコロケーションが続いていくので、よく結びつきやすい語を優先して表示するという感じではありません。
アルクならではのSVL表示
単語の検索結果には、SVLレベルが表示されます。SVLというのは、アルクが作成している学習者向けの12000語の語彙リストで、レベル1から12まで、各1000語ずつを割り当てて、単語の難易度を表示できるようになっています。
このSVLのレベルが表示されることで、その単語がどれぐらいの難易度の単語で、どのぐらいのレベルの学習者なら知っておかないといけない単語であるかが、一目瞭然です。
たとえば、レベル10以上なら、英検1級レベルの難単語ですので、初心者はあまり覚えようとやっきにならなくてもいいような単語です。
逆にレベル5以下の単語で知らない単語があったら、中級者以上(英検2級レベル以上)の人なら覚えておいた方がいいでしょう。
Weblioと同様、和英検索もできるので、日本語を入れて検索したら、それに当たる英語や英語のコロケーションを表示してくれます。
私は英辞郎はどちらかというと和英として使うことが多いです。和英の紙辞書は持っていないので、使うとしたら、Weblioか英辞郎になりますね。
オンライン版ロングマン現代英英辞典
英英辞典のおすすめはなんと言っても『ロングマン』なのですが、これにも無料のオンライン版があります。オンライン版ロングマン現代英英辞典です。家にいないときに『ロングマン』の定義に無料であたることができるなんて、ありがたい時代になったものだと思います。

簡潔な定義と、使いやすい例文を収録した『ロングマン英英辞典』がそのまま電子版になったと思ってもらえたら良いと思います。
このサイトも無料であるため、広告は両サイドに表示されますが、単語の説明はかなり見やすくなっています。使う分にはまったくストレスを感じません。
オンライン版ならではのロングマン
紙の辞書の内容を収録してくれているだけでもありがたいのですが、さらにオンライン版ならではの機能もあります。
単語を検索したら、語群として、関連語や派生語をまず表示してくれるのです。紙辞書のメリットとして、他の単語も目に入るため、いろんな関連語に触れることができる、なんていうのは古くから言われています。確かに検索結果をピンポイントで表示する電子辞書にはそんなシステムはありません。

オンライン版ロングマンでは、最初に「語群」という形で、関連語を表示してくれています。もちろん、その単語をクリックしたらその単語のページに飛んでくれます。なかなかありがたい機能ですよ。(繰り返しますが、無料です。)
さらにオンライン版ロングマンのもう一つありがたい点は、辞書に収録されている例文や用法以外にも、「コーパスの例」として、さらに追加の例文・用例を表示してくれる点です。やはり例文の数は、オンライン辞書に勝るものはありません。
私は単語帳をつかって、単語を覚えているとき、その単語帳の定義がよく分からなかったり、しっくりこなかったときは、このロングマン英英辞典で調べて書き込んだりしています。それだけでも覚えやすさが大分違います。
英英辞典はまたライティングの時も活用しています。英文を書くときに、単語は思い浮かんだけど、用法に自信がなかったり、正確なニュアンスに自信がないときは、英英辞典の出番です。
作文をするとい、和英辞典で調べたとしても、より正確にニュアンスや用法を知るために、英英辞典で引きなおすということもよくあります。和英辞典だけでは英語を書くには不十分です。
Online Etymology Dictionary
英単語の語源を知りたい。そんなときは、この辞書の出番です。これまた無料。
その名の通り、Online Etymology Dictionaryです。(Etymology=語源)

収録語数は分かりませんが、この辞書で検索していままで表示されなかったものはありません。日本の学校英語では習わないようなかなりのマニアックな語も語数を収録しています。
かなり充実の内容
単に語源だけを記述しているのではなく、その単語の語形・意味の変遷をかなり昔まで遡って知ることができます。単なる語源辞典ではなく、単語の歴史を知る辞典と思っても良いかもしれません。単語マニアなら必ずブックマークしておくことをおすすめします。
この辞書は、説明が非常に詳しいという特徴があるので、英語初心者にはなかなか使うことはできません。英語の単語を少なくても準1級レベルぐらいまではしっていて、語源の基本的な情報も知っていて、その上で使うと、これほどおもしろく、ありがたい情報を与えてくれる辞書もないのではないでしょうか。
語源情報の記述はかなりしっかりしていて、本屋に並んでいる語源本や単語集の記述よりもかなり本格的で専門的です。英語以外の言語(ラテン語・ギリシャ語・フランス語・ドイツ語など)をかじったぐらいの経験があるなら、この辞書をより自在に使いこなすことができるでしょう。

私は、単語集を覚えていて、なかなか意味を覚えられない単語や、相性が悪いような単語はこの語源辞典にあたって、その記述を簡単に書き込むようにしています。それだけでも無味乾燥な暗記作業に少しだけ変化をつけることができます。
これも無料です。ありがたや、ありがたや。
Google検索 忘れちゃいけない
最後に紹介するのは、忘れちゃいけない、「Google検索」です。
ライティングで効果を発揮
この検索が役に立つのは、英語を書くときや、より一般的ないい方を調べるときです。英語を書くとき、こんないい方あるかな、なんて思ったら、とりあえずGoogle検索に書けてみてください。100万ぐらいヒットしたら、まあ使われている表現と言えるでしょう。

2つのいい方で迷っていて、どちらがいいか分からないときは、両方で検索してヒット数を比べてみたらいいです。当然ながら、多い方が一般的ないい方だと、「一般的には」言えるでしょう。
検索を当てにするのは必ずしも正攻法ではなく、中には危険な場合もあるのですが、それでも言語の使われ方について、検索エンジンの結果が一定の方向性を示してくれることは間違いないでしょう。
画像検索も便利
Google検索のもう一つ便利な点は、「画像検索」です。私は、単語集を覚えているとき、よくわからん単語に出会ったら、画像検索を使うことも多いです。
この前、使っている単語集に “buttress”「控え壁」という単語がでてきましたが、日本語を見てもまったくピンときません。そこで、画像検索の出番です。一発でそれがどんなものを指しているか理解できます。

私は画像検索したあとは、(貧弱な画力で)簡単なイラストを単語集に書き込んだりします。それだけではるかに覚える労力は軽減されます。
まとめ
今の時代、オンライン辞書はいくらでも選択肢がありますが、何十もの辞書を普段から使いこなしている人はそれほどいないでしょう。
私は、とりあえず今のところは、上記の辞書を普段使いにしています。このぐらいの数なら、普段から使っていると、こんなときは、これを引こうというのが明確ですので、普段使いにはちょうど良いです。
ちなみに、ここに紹介しなかった辞書で、もう一つ私が普段使っているのは、Thesaurus(類語辞典)ですが、なかなかこれには定番というオンライン辞書がないと思っています。
今回ここに紹介したような辞書を使いこなせたら、かなり学習の助けとなってくるでしょう。私は紙辞書が好きで、家には語学辞書だけでも十数冊おいているのですが、それでもオンラインは便利なところがたくさんあります。
うまく付き合うと、かなり便利です。気に入ったものがあったら、ブックマークしてみてください。
改めてリンクを張っておきます。