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【英検1級リスニング】試験の特徴・内容と学習法 「1級の声を聴け」

英検1級はなんとも「堅苦しい」試験です。難単語が乱立する語彙問題、高尚なテーマの読解・英作文・面接が多いです。その中で、リスニングセクションは一番「カジュアルな」内容が多いです。今回は、そんな英検1級のリスニングの内容と学習法について考えていきましょう。

Contents

1級リスニングの概要

英検1級のリスニングの概要を最初に見ておきましょう。

試験時間・・・35分程度

配点・・・試験全体の25%

パート数・・・4つ

設問数・・・27問
 Part 1・・・10問
Part 2・・・10問
Part 3・・・5問
Part 4・・・2問

英検1級のリスニングは全4パートで、様々なシチュエーションの英語を聞き取る力を試してきます。

試験時間は35分と準1級よりも5分ぐらい長くなります。他の英語試験と比べてもそれほど試験時間は変わりません。センター試験・IELTSより少し長く、TOEFL・ケンブリッジ英検CAEより少し短いぐらいです。

パートは全部で4つあります。準1級の3パートに加えて、1級では最後にインタビュー問題が追加されていると考えればいいです。

設問数は27問です。これは、実は準1級よりも2問少なくなります。準1級はパートが3つの割に設問は29問と1級よりも多いのです。

英検1級リスニングの特徴

英検1級リスニングの特徴は以下の通りです。

  1. すべての音声は1回読み
  2. 基本的に設問文を聞き取らないといけない
  3. ビジネス場面からアカデミック、日常のことまで様々な話題がある
  4. 英語は癖のないアクセントで読まれる

英検のリスニングは、Part 3を除いて設問の選択肢のみが印刷されています。そのため、ほとのどの問題で、スクリプトが読まれてからのQuestionも聞き取らないといけません

リスニングは筆記試験と連続しているため、筆記試験中に問題の選択肢に目を通すことはできます。ただ、設問は印刷されていないので何となく予想しておくぐらいしかできません。

これは英検ならではの特徴だと思います。多くの英語試験では、設問は印刷されていることが多いからです。センター試験・TOEFL・IELTS・ケンブリッジ英検では設問は「聞く」ものではなく「見る・読む」ものです。

聞き取るべき内容は多岐にわたります。印象としてはPart 1とPart 3はビジネスシーンが多いという感じです。Part 2は、「英検らしい」アカデミックな話題や、時事性のあるテーマが主です。

英検リスニングの「英語」は、日本人が慣れ親しんだような「きれいな」発音で読んでくれます。ほとんどが癖のないアメリカ英語・イギリス英語で話されます。

IELTSやケンブリッジ英検などの試験は、日本人に馴染みのないアクセントを持った話者が登場することも珍しくありませんが、英検ではそんなことはありません。

英文はきれいに雑音を取り除いた音声で読まれます。街角の人々の会話を聞き取るのにくらべたらずっと聞き取りやすいです。

 

各パートの内容

以下では、1級リスニングの各パートの内容を見ていきましょう。

Part 1 短めの会話

最初のパートでは、短めの対話を聞いて、設問に答えます。話者は基本的に男性と女性です。

会話の内容は日常生活に関するものがほとんどです。会話1つにつき設問は1つです。高得点を目指すなら全問正解したいパートです。

最後の2問はスクリプトが比較的長くなります。初めてやると、まだ続くのか、なんて思うかも知れません。

Part 2 長めのモノローグ

このパートでは長めモノローグを聞き取ります。本や新聞の一部が朗読されているイメージです。

1パッセージにつき設問は2つです。全部で5パッセージ(10問)あります。

このパートが恐らく最も受験者を苦しめるパートだと思います。読まれるスクリプトが長い上に、内容は英検らしい高尚なテーマが主です。

短めの読解問題を音声でやっていると思ったら良いかもしれません。設問も文章のどこをついているのか的が絞りにくいものが多いです。

長めの英文を集中し続けて聞き取る練習を普段からしておきたいところです。

Part 3 リアルライフ

このパートでは日常生活で遭遇しそうな状況に対処する方策を聞き取ります。

まず、状況が印刷されているので、与えられた10秒でこれを読みます。それからその状況をどうすべきかについての英文が読まれるので、適切な対処法を選ぶという感じです。

この問題だけ設問が既に印刷されています。と言ってもほとんどの問題が「まずあなたは何をすべきか」といったものです。

この形式は英検独自のものですね。あまりほかの試験では見ない形式です。所謂「リアルライフ」問題です。

このパートで大切なのは、最初に与えらる10秒の中に出来るだけ早く状況を把握して設問と選択肢に目を通しておくことです。それができたら割と楽に乗り越えることが出来ます。情報処理の素早さがカギになってきますね。

Part 4 インタビュー

最後のパートは1級だけにある問題です。長めのインタビューを聞いて、2つの設問に答えます。

インタビューは大体4~5分ぐらいのことが多いです。このパートでは一番「自然な」感じで英語が読まれます。「聞き取り」は他のパートより難しいことが多いです。

他のパートでは先述の通り、割と試験用にきれいに加工された音声です。一方でこのインタビュー問題では、言い淀みがあったり、相手の話にかぶり気味に発話をしたりと、より自然な会話が意識されています。

またスクリプト自体が長い上に1回しか聞けないので、集中力を切らさないようにしておきたいです。設問がどこをきいてくるかも的を絞りにくいので、満遍なく全体を理解する必要があります。

この問題は試験の回によって難易度に結構ばらつきがあるような気がします。どんな話者が出てきても対応できるぐらいになっておきたいですね。

1級のみの形式ですので良い練習問題もあまりありません。過去問やラジオで練習するのもいいでしょう。

ケンブリッジ英検の問題には似た形式があります。FCEのPart 4とCAEのPart 3がインタビュー問題になっています。FCEでも英検1級と同レベルか難しいぐらいなので、良い練習になります。

 

学習方法

英検1級のリスニングは良質な試験であるので、割と自由な学習で対応できるようになります。

市販の問題集

専用の問題集でおすすめは、ジャパンタイムズのリスニング問題集です。ジャパンタイムズからは、ここ最近どんどん良質な教材が出てきていますが、この問題集も秀逸な出来です。

他にはクリストファー・ベルトンの『知識と教養の英会話』も1級対策にはおすすめです。こちらは、内容がいかにも英検らしい題材の会話集という感じです。リスニングだけでなく英作文・面接の対策本としても有効です。英検1級受験者なら持っておいて損はありません。

リスニングPart 4の教材としておすすめしたケンブリッジ英検の問題は公式問題集を買えば体験できます。ネット上でできる問題も結構あるので検索してみてください。

無料教材も充実

市販の問題集以外にも、リスニング教材は充実しています。ネットのおかげで無料で使える教材が一番豊富なのはリスニング教材です。利用しない手はありません。

CNNやBBCを聞くというのはなんとも思いつきやすい対策です。過去問や専用の練習問題だけをやるよりこちらの方が遙かに楽しいです。そしてこちらの方が勉強になります。

私はよくBBC World Serviceのニュースを聞いています。BBCの公式サイトの他、ポッドキャストやTuneInRadioで配信されています。

映画やドラマを英語字幕で見るのも効果的でしょう。なれてきたら字幕を外してみるのもありですね。

Part 2向けの勉強としておすすめなのは、YouTube動画を使うことです。なかでも私がもっともおすすめするのはTED Edの動画を使って学習することです。

TED Edというのは専門家監修のもと、様々な学術的トピックを5分程度のアニメーション動画にまとめたものです。無料で使える割にかなり高品質です。内容的にも英検のリスニングPart 2や英作文・面接に役立つテーマがたくさんあります。詳しくは以下のページをご覧下さい。

 

まとめ 聞き取りのさらなる高みへ

英検1級のリスニングは難しいですが、非常によく練られた問題が並んだ充実の試験です。

学習でおすすめは過去問以外ではやはりYouTube動画を活用することですかね。TED Edは本当に優れた動画チャンネルです。これを活用しない手はない。

英検のリスニングは「きれいな」音声であることは先述の通りです。

そのため、1級達成後は別の試験のリスニングを体験して、さらなる高みを目指していくともっと世界が開けます。

私のおすすめはなんと言ってもケンブリッジ英検のリスニングをやってみることです。英検1級ホルダーでもケンブリッジ英検のリスニングはなかなか一筋縄ではいきません。

あちらではより「ナチュラルな」英語が読まれるからです。

そうして学習していくと、かなり幅広い英語を聞き取る力がついていくと思います。

耳で英語を理解すると、読解とはまた違った喜びがあります。その喜びを味わいつつさらなる高みを目指す学習をやっていきたいところです。

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