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【英検準1級2次試験・面接】内容と学習法 基本を忘れぬ上級者になろう

英検準1級の面接は、英語で意見を発信「できる」と言える最初のステップです。試験官と1対1の会話の中で、曲がりなりにも「私は簡単な英語を普通に使えますよ」ということを示さないといけません。今回は、そんな英検準1級の二次試験面接について、内容と効果的な学習法を考えます。

Contents

準1級2次試験(面接)の内容

英検準1級の二次試験・面接の内容は次の通りです。

配点・・・試験全体の25%

形式・・・1対1のインタビュー

試験時間・・・約8分

8分間という限られた時間内で、英語で説明する力、即興で応答する力を試されます。準1級では、試験官は日本人です。

面接試験の大きな流れは次の通りです。

  1. あいさつ・簡単な日常会話
  2. 2分間のイラスト描写
  3. 質疑応答

メインとなるのは、2分間のイラスト描写のナレーションです。このナレーション問題では、渡された4コマのイラストの内容を描写します。

ナレーションを始める前に与えられる時間は1分です。受験者は、この時間で、イラストの内容とストーリー、人物関係を把握しないといけません。その後、指定された1文に続けて適切にリテリングできるように準備します。

イラストの中身は、社会的な問題と個人の関わりを描いたものが多いです。何らかの問題提起になるように構成されたわりと「まじめ」な4コマストーリーになっています。

続く質疑応答の前半では、4コマの中から1つを選んで、さらに試験官から質問がなされます。後半は、4コマの話から離れて、より広く社会に関する話題についての議論になっていきます。質問は全部で4つなされます。

最後の方の質問は、社会問題について即興で意見をまとめてこたえないといけません。準1級面接の中でも一番難しい部類のタスクだと思います。まさに最終関門といったところです。

 

どれだけ話せればいいか

どれぐらい話せたらいいかという基準は明確ではありません。ただ、少なくとも、準1級の面接だからと言って、高尚な話題について常によどみなく話せる必要はありません。

所々でつっかえたり、文法のミスはあっても最後まで話すことができたら合格するには十分のスコアが出てくるようです。

逆に、黙り込んだり、考えを伝えることを諦めたら突破は難しくなります。

英検準1級の面接で話せるべき英語は、本当に「普通の英語」です。中学校で習うような文章がすらすらと出てくるスピーキング力があったら十分です。

複雑な文型や語彙問題で出てくるような難しい単語を駆使しなくても、スピーキングの表現力は十分に評価されます。大切なのは、主語動詞からなる簡単で適切な文を、瞬時にアウトプットできるかです。

 

面接の対策をしよう

『瞬間英作文』

準1級面接試験の対策としておすすめなのは、瞬間英作文型の練習です。簡単な英語をしっかり表現できるには、まず日本人には一番これが近道なのではないかと思います。

瞬間英作文を標榜した本はたくさんありますが、おすすめは元祖の青い本です。タイトルは『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』(森沢洋介)です。

この本は2006年に発売されたものですので、語学教材としてはけっして新しいものではありません。しかし依然様々な本で紹介される本であり、amazonで「英語」と検索しても必ず1ページ目に登場するほどの人気の本です。

簡単な文がすぐに口をついて出てくるようになるには、簡単な文を量産するしかありません。しかし、その練習はなかなか学校ではしません。それ故、英語を「話す」という練習をほとんどせずに多くの日本人が高校を卒業していきます。

本書はそんな日本人が、言語の壁を乗り越えるのには一番手っ取り早い練習だと思います。ある程度自身がある人には簡単すぎる英文かもしれませんが、早く確実に出てくるかというとそうではないものもあるはずです。

話す練習で大切なのは、とにかく「基本に返って」「簡単な英文を」アウトプットすることです。遠回りに見えますが、それが一番近道なのです。準1級の面接に合格したら、それを実感すると思います。

話す語彙レベルで問題があるという人は、『英単語ピーナッツ』で単語をアウトプットする練習をしてみましょう。

この本は、「瞬間英作文」の単語・フレーズ版といったところです。「ほとんどの単語は知ってるけど、とっさには出てこないな~」というレベルを選んでください。うんと簡単なレベルを練習する方が効果あります。

 

『ライティング本』

英検面接は社会問題を扱うので、ライティングの練習はそのまま面接の練習にもなります。

背景知識を補いつつ、重要なキーワードを口頭でも使えるまで練習しておくと、ほとんどの質問には答えることができます。

面接につながる英作文本として一番おすすめできるのは、『『最短合格! 英検準1級 英作文問題完全制覇』(ジャパンタイムズ×ロゴポート)です。

この本では200以上の「コンテンツブロック」という形で、ライティングで使える段落のアイディアが紹介されています。

これを音読して、キーワードや重要な考え方などを頭に入れておくと、いざというときに回答の引き出しが広がります。

 

まとめ

英検準1級の面接試験は、英語上級者への最後の登竜門です。

ここで問われるのは高度な英語を使いこなす力ではありません。

むしろ、準1級面接は、「普通の英語がふつうに使えますか」ということを問いかけるような試験です。口をついてくる英語は簡単なものでいいので、しっかりと英語で意見を伝えることです。

それができたら、合格は自ずとついてきます。

それができていないなら、難しい1次試験を突破したとしても、もう一度基礎から英語を見直すしかありません。

語学においては、時に後戻りすることも必要です。英語上級者なら、だれだって知っていることです。

後戻りするには、先に進むのと同じかそれ以上の勇気がいります。それができて基礎を繰り返し積み上げたら、そのときこそ一歩上級者に近づいたといえるのではないでしょうか。

 

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