大学入試

【2019年慶應大学法学部・英語】やってみた感想と難問へのアプローチ

慶應義塾大学法学部の入試英語は、数ある大学の中でも最難関の部類の問題と言われています。今回は、最新の2019年の慶應大学法学部入試問題について、実際にやってみて感じたことや、難問の考え方などを考えました。正直、私の英語力では解答不安な問題も多かったので、知り合いのアメリカ人と一緒にチャレンジしました。

予備校で解答が割れるほど

慶應大学の入試問題は全国の入試英語の中でも、最も難しい問題に分類されます。これは事実です。

以前はもっと難しい問題も多く、それにくらべたら簡単になったという見方もあるようです。(2014年の法学部の問題など、顕著に難しかったです。)

そうはいっても、最難関であることには変わりありません。私も今回解いてみて、正答率はせいぜい8割といったところでした。もう、うっかりミスとかではなく、純粋に答えが分からずに間違った問題ばかりでした。(泣)

私の印象では、慶應(法)東大京大よりもずっと難しいです。京大も最難関の部類とされますが、慶應ほど深い知識と処理能力が求められるようには思えません。

もちろん、英語もさることながら日本語の記述量がかなり多い京大入試と、全問選択式の慶應(法)を同じ基準で比べることはできません。しかし、京大入試の英文が英検1級と比べたら「かわいげのある」文章であるのに対し、慶應は1級より難しいぐらいです

実際、英検1級のリーディングで9割とれる私でも、かろうじて8割ぐらいしかとれませんでした。

それほどの問題であるため、大手予備校の解答速報も結構解答が割れている問題がありました。私が確認できたのでも、予備校によって解答が一致しない問題が6問ありました。

ネイティブはあっさり

それを踏まえて、改めて同僚のアメリカ人と一緒に難しい問題を解いてみました

彼女も難しいとは言っていましたが、それでもそれほど迷わずにすべての正解を導くことが出来ていました。

やっぱり、ネイティブは違うなあ・・・。

私が間違えた問題も、こう考えたら、これが正解だということを割とあっさりと選べていました。

その後大学から公式の解答が公表されました。

結局、彼女の選んだ問題は、最王手予備校の解答と同じく、すべて正解でした。

そう考えると、難しい問題ではありますが、やはり英語が分かっている人からしたら、ちゃんと「解ける」問題であることは間違いないようです。

私なんて、まだまだということを実感する結果となったわけです。

 

難問を考えよう

以下では、特に難しかったと私が感じた問題について、こう考えたらいいかもという提案をしていこうと思います。間違っている部分があるかも知れませんが、そこはご容赦ください。

問題は、讀賣新聞のページで見ることが出来ます。慶應大学のサイトで公式のものが公表されています。

Ⅰ会話問題

大問数は去年より減って、Ⅰが会話問題(発音問題含む)になりました。

難しかったのは(2)(3)です。会話の空欄に入る台詞を埋める問題ですね。

ここには、選択肢の《4. Well, you know me.》《5. It’s mostly up in the air.》がそれぞれ入ります。これは、一見どちらがどっちに入っても意味が通りそうな問題です。

実際、1つの予備校は、逆の解答にしていました。(私もそうしていました・・・。)

私のコンサルタント先生も最初は、5, 4が答えだと逆にしていました。しかし、見直すと、やはり公式の回答通り、4, 5になるとのこと。

選択肢《4. Well, you know me.》は個人の性格について述べています。「私はこんなやつだって知ってるでしょ。」みたいな。

一方、《5. It’s mostly up in the air.》は、出来事の進捗状況を割と具体的に述べる文です。「まだ、ほとんどは決まったわけではないんだけど・・・」みたいな感じです。

(2)のAmyの台詞にも、(3)のCarolの台詞にも進捗状況を述べる台詞が続いています。

しかし、(3)の後のCarol の台詞の方が、少しだけ具体的に今の状況が述べられています

 (3) でも、たぶん・・・。といった具合です。

後ろの「でも、たぶん・・・」を考えると、しっくり来そうなのはほとんどは決まってないけど・・・」の《5. It’s mostly up in the air.》になりそうです。最後のthoughは重要な手がかりですね。

 

Ⅱ語彙問題

Ⅱの語彙問題は例年他の文法問題に比べたら正答を選びやすくなっています。

今年もそれほど難しかったわけではありません。ちなみに私の同僚は(32) swingeing, (34) lay[形]の意味は知らなかったそうです。

Weblioによるとswingeingは主に英国で使用されるとのことなので、アメリカ人が知らないのは無理からぬことかもしれません。layは名詞形のlaityが思い浮かべばしっくり来ますが、これだけ見ても「ん?」ってなりますね。

 

Ⅲ誤文訂正

大問Ⅲは新形式で、長文中の誤りを含む部分を書き換えるのに最もふさわしい選択肢を選ぶというものでした。

(36)

難しいのは(36)です。正答は4でしたが、いまだに私も完全に納得できていません。

1か4で迷った人が多かったことと思います。(私も最初1を選びました。)ここで重要になるのは、選択肢に含まれるキーワードです。

1ではfactor, 4ではreasonがキーワードですね。後続の段落を見ると、第1段落の主張「移民労働者を増やすべき」の理由になっていることは明らかです。

factorだと、「すでになされたもの→要因・要素」という意味です。これだと既に(事実として)移民は増えていて、その要因を後続の段落で説明していくようになるように響きます。しかし、第3段落では「日本は移民を受け入れていない」ということが明言されていますので、その点、具合が悪くなるようです。

(factorの元が、ラテン語のfactum「為されたもの」で、facere(する)の過去分詞であることを思い浮かべれば納得できるような・・・。後付けですが。でもfactorでもいけそうにも見えるんだよな・・・。)

私のコンサルタント先生によると、全部読まないと選べないが、全部読んだら、4.が一番しっくり来るとのこと。1.もそこだけ読んだらいけないことはないが、全体から照らし合わせるとやはり4がいいそうです。

(39)

動詞で、support for ~ は不可(supportは他動詞)。

高齢社会はaged society, 高齢化社会はaging societyと考えるといいそう。私はaged societyという言い方があることを初めて知りました。

 

まとめ

私には正直はっきりと正答の理由が分からない問題もありました。

予備校によって解答が違うのもどうかと思ったのですが、やはり分かる人には分かる問題ではあるようです。その点で、理不尽な問題ではないと言えそうです。

高校生が解くには難しいのでしょうが、大学の理念がここに現れているような気もするので、これはこれで良い試験になっているのではないかと思います。

特に今年の問題は、ほとんどすべてが読解を前提とした問題になっていました。大問Ⅲは文法・語彙語法の要素もありますが、読解の要素の方が大きいのではないでしょうか。全部読んで初めて選べるという問題も多かったようです。

これは私は初めて見た形式でしたが、たんなる文法問題よりもおもしろい問題だと思いました。読解の中で文法や単語の知識を活用する過程が、何とも良い練習・経験になりそうです。

英語に自信がある方で、チャレンジしたことがない人は、挑戦してみると新たな世界が広がるかも知れません。

 

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