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【英語学って何?】その学問内容と入門書を紹介 まずはこれを読んでみよう!

英語には「英語学」なる学問の世界があります。TOEICや英検で高得点を目指すために学習するような世界とは違って、「英語という言語そのもの」を分析する学問のことです

今回は、英語学とは何か、そしての世界を入り口からちょっとだけ覗いてみるのに役立つ入門書を紹介します。英語力に行き詰まっている人から英語が得意な高校生まで気軽に読んで見ると有益な情報に出会えるはずです。

「英語学」とは

英語学とは、英語という言語を、言語学的側面から研究する学問のことです。

そもそも私たちが学校で習う英文法というものは、英語学の研究の積み上げた英語の使い方の規則です。ただし、「英語学」という用語を使うときは、普通は学校で習うような文法を、より詳しく専門書や一定量の資料を使って分析するような場合が多いです。

その意味で、英語学とは、文法学習のより専門的バージョンみたいな印象を持っていただいたら、だいたい間違っていないと思います。

実際には英語学と言っても裾野は広く、文法現象を扱う分野もあれば、声や音声を研究するジャンルもあります。さらには、英語の歴史に焦点を当てる分野もあります。はたまた、言語と人間・社会の関係や、人間が言語をどのように認知するかに重きを置いた英語学もあります。

これらを含めて「英語学」という学問が成立しているわけです。

 

「英語学」の世界を覗いてみよう

英語学に足を踏み入れようと思っているなら、入門書を手に取ってみるのが一番です。

書店に行くとその手の本は割とたくさんあります。英語学の本といっても専門書ではなく、一般の読者に向けて書かれたものを最初は選んだらいいと思います。

これらの本の多くは、学校文法では教えてくれない、(もしくは曖昧に濁されている)英語のいろいろな問題点を、わかりやすく解説しくれています。そして読み物としても飽きが来ないように初心者を惹きつけるような工夫がされています。

 

『くらべてわかる英文法』

そんな中で、「最初に読む本」といして私がいちばんおすすめなのは、『くらべてわかる英文法』(畠山雄二編・くろしお出版)です。

この本のおすすめポイントは以下。

  • 堅苦しさが全くない解説
  • 幅広いテーマを扱う
  • より詳しい専門書のガイドがある

この本は、数多くある英語学の入門書の中でも、もっとも読みやすいというのが私の印象です。初心者を飽きさせない工夫がいたるところになされています。

本文は会話調であったり、わいらしいイラストがあったりしますので、英語学についてなんにも知らない人でも挫折せずにすらすら読み通すことが出来ると思います。

一方で、各章を執筆しているのは各分野の専門家です。やさしい語り口で、内容はしっかりしているので、とても勉強になります。

私自身、それなりに英語ができるようになってから読みましたが、新しい発見がたくさんありました。(もちろん知っている項目も多かったですが、既知のことでも改めて考えるきっかけになります。)

スタイルとしては、各項目見開き2ページで、クイズ形式の2択問題が最初に提示されて、その解説が続くという形です。英語学の諸問題を満遍なく扱うというコンセプトで編纂されているので、各章で「会話」「語順」「意味」「音声」「語彙」といった別々のテーマが設定されています。

例えば、《第3章 英語の意味、どっちが正しい?》には次のような項目があります。

Father sprayed the paint on the wall. と Father sprayed the wall with the paint.

壁一面なのはどっち?

『くらべてわかる英文法』(畠山雄二編・くろしお出版・116-7ページ)

こういった問が立てられて、続くページに答えやそれにまつわる文法事項が解説されています。

この本の優れたもう一つの点は、各章の最後に、「さらに学びたい人のために」というブックガイドがついているというところです。これが実にありがたい。

「この分野についてもっと知りたい」という時は、そこで紹介されている本にあたってみたらより専門的な情報に出会えるわけです。何を読んだらいいか分からないという人には絶好のガイドになります。

 

『大学で教える英文法』

同じ畠山雄二先生が編纂された本で、『大学で教える英文法』というものもあります。

『くらべてわかる』と同じコンセプトの姉妹編といったところです。『大学で教える』の方が少しだけ堅い感じがありますが、初心者でも読めるぐらいの文章になっています。

こちらは文法現象を中心に扱っていますが、構成はほとんど『くらべてわかる』と同じです。章末のブックガイドもあります。

この2冊を読むだけでも英語学の世界にかなり親しみを感じることができると思います。

 

まとめ

今回は英語学の入門書の中でも、まず最初に読んだらいいと思うものを紹介しました。

他にもおもしろくて役立つ入門書がいくつかあるので、そちらは次の記事を参照ください。

英語学の知識は、TOEICや英検などの試験で、「直接」スコアアップにつながるというわけではないかもしれません。しかし、英語について深く知っているということはやはりレベルアップには欠かせません。

このサイトで紹介した本は、次のよな人にもおすすめです。

  • 英語を教える仕事をやりたいという大学生
  • 英語についてもっと知りたいという高校生
  • 資格試験のスコアが伸び悩んでいる社会人

どんな学習者にとっても、きっと有益な情報をたくさん与えてくれるでしょう。

そして、それを読んで「英語っておもしろい」と思う人が増えたらいいなと私も勝手ながら思っています。

 

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