フランス語

【フランス語多読(初級編)】初心者におすすめのフランス語の本とその難易度

フランス語の本を読んでみよう! ということで、今回は、初級段階で(なんとか)読んでいけるフランス語の本を紹介します。

多読に必要な最低限のフランス語力

フランス語で多読がなんとか出来るようになるのは、少なくとも初級文法を一通り終わった段階です。

ABCや直説法現在の活用を習いながらいきなり原書にあたるのは無謀です。

そういうわけで、今回の記事は、A2-B1程度(仏検3級~2級)のレベルの学習者向けです。一通り初級文法は終えて、2000語ぐらいの基本語彙は覚えたという段階でないと、無理矢理読むのすら厳しいです。

もちろん、このレベルであっても原書を読むというのはかなり骨の折れる作業です。

それでも、第2外国語の場合は、しっかりとした手順で最初は無理矢理にでも読んでいくと、確実に上達していきます。

 

仏書多読にあたって

まだあまり読めない言語を多読していくときは、次の点を意識しましょう。

  • 日本語訳を用意
  • 知らない単語はすべて調べる
  • 調べた単語は覚える

基本文法を一通り覚えた段階では、なかなかスムーズに読んでいくことはできません。これは当然です。

最初はいちいち辞書を引きながら読んでいくことになります。1ページ読むのに1時間ぐらいかかることもあるかもしれません。暗号解読みたいなものです。意味が分からないところは思い切って翻訳を見てみましょう。

どうしてその意味になるか分からないときはまた辞書を読んで、詳しい文法書を読んで・・・ということを繰り返すしかありません。

それができたら、本当に少しずつですが、「調べる数」が減ってきます。読める分量も少しずつ増えてきます。

フランス語やドイツ語などの第2外国語の場合は、文法や語彙を体系化させるのは意外にも早いです。(あくまで最初に英語を習い始めたときと比べたら。)

コツさえ掴めたら、文法も語彙もそれなりに身に付いていくと思います。ただし、その間も単語を覚えることはやめないようにしましょう。

出てきた単語を覚える。それ以外にも単語集や辞書を使って覚えるという作業をしていかないと、上達のペースも落ちてしまいます。

 

初級段階におすすめの仏書

以下では、学習の初級段階におすすめのフランス語の本を紹介します。繰り返しですが、初級段階と言っても最初は随分難しく感じると思います。

少しずつそれを乗り越えていくための本だと思ってください。

ストーリーにはあまり深入りしないようにしていますので、気になる方は、アマゾンの翻訳のページを見てみてください。

『プチ・ニコラ』

Vous pouvez pas me taper, j’ai des lunettes.
(ぼくを叩かないでよ。メガネかけてるんだから。)

Le Petit Nicolas, Jean Jacques Sempe

『プチ・ニコラ』シリーズは学習者なら1度は聞いたことがあるかも知れません。それぐらい有名なフランスの児童書です。

ニコラという男の子が日常で繰り広げる騒動を描いています。まあ何というか、「サザエさん」とか「ドラえもん」というか、そんな感じの話と思っても良いかもしれません。(随分雰囲気は違いますが・・・。)

フランスの普通の家庭や学校の様子を知ることが出来て私は興味深かったです。「フランス人的な考え方」みたいなものは、深刻な文学作品より、こういった「日常系コメディー」にむしろ詰まっています。

そういった意味で、フランスなるものを知るためにもおすすめです。

使われるフランス語は、児童書だけあって結構シンプルです。サンペのイラストがまたいい感じにストーリーを理解する助けになってくれます。

語彙も、フランス語の基本単語が多いです。日常語も多いので、これからボキャビルをしていく基礎になる単語を身につけることができるでしょう。

私がこの『プチ・ニコラ』を読みながら作った単語ノートは次のような感じです↓。

基本語も読みながら地道に覚えていく。

このレベルの単語でも最初は調べながら、覚えながらやっていくわけです。

翻訳も出ています。初級段階ではこれもケチらず参考にしましょう。

 

 

『星の王子さま』

Mais ce n’est pas un homme, c’est un champignon ! 
でもそれは人間じゃない。きのこだ! 

Le Petit Prince, Antoine De Saint-Exupery

言わずとしれた名作『星の王子さま』です。現代は “Le Petit Prince” ですので、直訳だと「小さい王子さま」といった感じですね。

フランス語を学習したら是非読みたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

気になるフランス語の難易度ですが、割と読みやすい方だと思います。

サン・テグジュペリという作家は、非常に文章が上手い作家です。私は『星の王子さま』意外だと、『人間の土地(Terre des Hommes)』を原書で読んだことがありますが、印象としては、とても美しい文を書く人というイメージです。

大人向けの本はフランス語も文学的で難しいのですが、『星の王子さま』については、だいぶ読みやすいです。

私の感覚では、『星の王子さま』のフランス語は、文章の達人がこどもの目線まで降りてきて物語ってくれているという感じの語り口です。

そのため、見た目は易しいけれど、全編を作者の文章の粋が貫いています。だからこそ、美しく、誰からも愛される作品になっているのだと思います。

形式としては語り手が今の視点から読者に語りかける体裁です。そのため、動詞の時制は基本的に複合過去や半過去が使われます。

この作品は有名であるため、解説書や対訳本も多く出ています。それらを参考にするのも良いでしょう。

 

 

『悪童日記』

Personne n’a voulu cette guèrre.  Personne, personne.
だれもこの戦争なんて欲さなかったんじゃ。一人も。誰もな。

Le Grand Cahier, Agota Kristof

アゴタ・クリストフの『悪童日記』は、上の2作品よりは、日本での知名度は低いかも知れません。

この小説のおもしろい点はいろいろありすぎるのですが、強いて言うなら次の3つです。

  • 作者は「外国語」のフランス語で執筆している。
  • 「ぼくら」という1人称複数の語り手
  • 場所も語り手の名前も明かされない

作者はハンガリー出身で、ある意味、「外国語」といえるフランス語で執筆しています。

描かれるのは、第二次世界大戦下のヨーロッパです。語り手は、「ぼくら」という双子の視点から語られます。

語り手は名前も明かされず、ただ、「ぼくら」の視点で語るだけです。形式としては、「ぼくら」が書き留めたノートという体裁の小説です。(現代は “Le Grand Cahier”「大きなノート」)です。

直説法現在で一つ一つの出来事を短く切り取って語られます。そして各章は2ページ程度ですので、学習者にも読みやすいです。

この無骨で直接的な感じが妙な迫力を生んだ、優れた文学作品と言えるでしょう。フランス語も平易で現在時制が中心なので読みやすいです。

ここで紹介している他の本よりはシリアスな内容です。しかし、ヨーロッパが経験したことを知るためにはこういった本を読むことも決して避けては通れないと私は思います。

翻訳はハヤカワepi文庫から出てます。この作品には『二人の証拠』『第三の嘘』という続編があります。

 

 

『おおきな木』

Et le garcon aimait l’arbre… 
そして、男の子は木が大好きだった。

L’Arbre Généreux, Shel Silverstein

最後に紹介するのは『おおきな木』という絵本です。

これは実はアメリカの作家が英語で書いたものが原書ですので、フランス語版は翻訳ということになります。

たまたま私が図書館でこのフランス語版を見つけて気に入ったので、ここで紹介することにしました。

絵本ですので、あっという間に読んでしまうことが出来ます。そしてフランス語もとてもわかりやすく、かつ同じ単語が何度も出てきます。初心者が「1冊フランス語の本を読んだ」という達成感を味わうためには最適なのではないでしょうか。

1ページ数単語のページもあれば、わりとがっつり文章があるページもあります。複合過去や半過去で物語られるので、文法の知識も基本的なもので対応できるはずです。

こころ暖まるやさしい話です。翻訳は村上春樹さんのものがあります。

 

 

まとめ

ここで紹介した本は、単語を調べながらならなんとか読んでいけるというものです。単純過去や接続法半過去の活用を覚えていないとしてもこれらの本を読むのにはほとんど問題ありません。(皆無ではないのですが。)

とにかく、最初はゆっくり、一語一語に寄り添って意味を考えながらでいいと思います。

そのうち少しずつ読むのが速くなって「フランス語のリズムや語順」みたいなもに慣れていきます。最初は苦しいですが、継続すると力になるのはどんな語学にも言えることです。

これらの本を読んだ後は、少し本格的なフランスの小説にも手が出てくるようになっているはずです。(少なくとも、私はそうでした。)

中級以降の多読のおすすめ本はまた別の記事で紹介していきます。(カミュ『異邦人』やサガン『悲しみよこんにちは』はそちらで紹介します。)

 

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