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【2019年名大入試・英語】感想・難易度・解説「外部試験とも張り合える」

名古屋大学の英語は大学入試の中でも近年大きな変化があった部類です。現代の潮流を反映しつつ、独自のスタイルを模索している問題は、やってみると非常に勉強になる問題になった印象があります。

そんな名古屋大学の英語の問題について、特徴や最新の問題のポイントを振り返りましょう。

名大英語の特徴

名古屋大学の英語の問題は、大学入試の伝統に則った記述問題が多くなっています。

一方で、2018年から和文英訳や英文和訳を削減し、大きな転換を迎えています。その意味で、入試問題でありながら、英検やIELTSのような外部民間試験の要素も取り入れつつあることが窺えます。

2018年以降、読解も英作文も特にIELTSとの類似性は見逃せません。たまたまかもしれませんが、自由英作文や読解問題の一部はIELTSのリーディング・ライティングとの共通点があります。

一方で、分量は減りましたが、英文の下線部訳も無視できません。説明問題も多いですが、実際には和訳問題とほとんど変わらないものも多いです。

また、要求される語彙力も国公立大学の入試の中ではトップクラスのレベルになっています。英検準1級レベルの語彙の習得は名大入試でしっかり点を取るには欠かせません。

名大英語は、同じ難関国公立大のなかでも、問題スタイルは非常にバランスがとれている部類になります。語彙力、構文把握力(最低限の日本語記述力含む)、表現力を磨いていくことが何よりの近道です。

つまり、割と英語が「普通に」使える人なら高得点がとれるような問題です。上級者を目指す人の練習問題としてもとてもためになる問題だと思います。

 

最新の問題

2019年の問題は、前年と構成はほとんど変わりませんでした。大まかな構成は以下です。

Ⅰ 長文読解(総合)

Ⅱ 長文読解(総合)

Ⅲ 長文読解(会話)

Ⅳ 自由英作文

今年は問題の分量が増加し、全体としても解答しにくい問題が増えた印象があります。

超難問というわけでもありませんが、しっかり読解出来ていないと解答に時間がかかってしまう問題も多いです。また、自由英作文はこういったトピックで書き慣れていないとなかなか書くことを思いつかなかったかもしれません。

全体の記述量はそれほど多くなく、客観式の問題の割合も随分多いです。基本的な語彙力や文法を扱う問題はしっかり取りこぼさないようにする必要があります。

大問Ⅱの空欄補充や語句整序は、英語の「リズム」みたいなものが体に染みついているかを問うような問題でした。分かる人はあっという間に解けますが、英語への慣れが足りない人は時間がかかるかもしれません。

下線部和訳は最小限ですが、他の問題も実質和訳問題というものも多いです。阪大や京大のような長大な和訳ではありませんが、それなりに複雑な英文をしっかり日本語で表す練習も必要です。

大問Ⅲの会話問題にも短い自由英作文が出題されています。去年よりは語数が減りました。

単語・熟語の力も要求されるのは変わりません。by virtue of, frugalといった単熟語は、センターレベルよりは1段階2段階上の語彙力が要求されます。

 

解答のポイント

以下では、各大問ごとに解答のポイントをもう少し詳しく見ていきましょう。問題と解答は各予備校のサイトで見ることができます。

 

大問Ⅰ

類人猿の言語習得の研究についての文章です。内容はアカデミックですが、一般人も一読して研究の概要が分かるような「いかにも試験用」といった英文です。

高校生で、もし “CROWN” という英語の教科書を使っていたら、Jane Goodallという名前に心あたりがあったかもしれません。高1用の “CROWN” には10年以上チンパンジーの話が載っていますね。

各段落でいろんな研究者の実験が紹介されるところなど、やっぱりIELTSっぽいな~という印象をうけます。去年は、研究者名と研究内容を一致させるという感じで、問題までもうIELTS風でした。今年は各人の研究内容を簡単な記述で答えるという感じでした。

説明問題が5題と多いですが、いずれも解答箇所はすぐに見抜くことができます。あとは、解答を字数内で的確にまとめることです。どの問題も、該当箇所を和訳する問題とほぼ変わりません。

問7は本文には直接述べられていない内容を推測するInference Questionです。問題形式自体も難しい上に、選択肢中の urination, unobtrusiveといった単語はほとんどの高校生は知らないと予想されます。難問です。

本文中の単語はそれほど難しいものはありません。implode, spin off(動詞), knack といった単語は難しいですが、何となく文脈で意味は予想できそうです。

primate, proficiencyといった単語は、本文理解や設問の解答に影響してくる難単語です。

 

大問Ⅱ

脳死をめぐって、人間の死の定義についての文章。アカデミックでありながら、現代社会と密接な関係があるような内容です。こちらも英検やTOEFL・IELTSっぽい印象を受けます。

こちらの問題は結構バラエティー豊かです。和訳問題、説明問題、空欄補充、段落内の文整序、語句整序など、多様な問題に対応しないと行けません。

和訳問題はそれほど複雑な構文や難単語はありませんが、本文全体の理解が結構カギになるように設定されています。

説明問題には「分かりやすく」といった指定がついているものもあり、正直に該当箇所を和訳するだけでは不十分に思える問題もあります。

問3の文整序はすんなりと解くのはなかなか難しい。選択肢DとFの “these” が先ず何を指すか、D, C, Fの “For example” “In fact” “Whether …” といった副詞句も判断基準になります。Cに含まれる単語はかなり難しいですが、分かる単語で内容を予想することはそれほど難しくありません。

問7、問8の語句整序、空欄補充は英文のリズムが体得できているかを問うような良問になっています。これが分からないor 時間がかかると言う人は、英語の知識と同時に英語への「慣れ」を磨いていく必要があるでしょう。多読の経験値もものをいいます。

問9の空欄補充は全問正解したいです。

 

大問Ⅲ

最近流行の会話の読解問題です。gap yearとその意義について2人の人物の会話を読んで問題に答えます。

設問は内容一致問題と空欄補充、あとは語彙問題です。

一番難しいのは語彙問題のfrugallyの意味を訊く語彙問題でしょうか。答えはDのthriftyですが、問題も選択肢も結構英検1級レベルの単語です。消去法でも解答はできます。

問5は自由英作文ですが、語数はかなり少ないので、自分が書ける内容を瞬時に思いついて解答したいです。

ちなみに、旧帝大で会話問題を出題している大学は、北大、東北大、名大です。会話の「オチ」がいちばん工夫されていたのは名大だと思いました。(笑)

 

大問Ⅳ

表を読み取って80-100語で記述する自由英作文です。

問題の英文が長く、表もけっこう複合的な情報が散りばめられているのでなかなか難しい。

100語は昨年よりは多くなっていますが、自由英作文としては標準的な長さです。いろいろと情報を詰め込みすぎると、まとまりのない英文になってしまいます。

自由英作文の練習を重ねていると、100語でどれぐらいのことが言えるかというのは何となく分かってきます。そういった経験があると対応もしやすいと思います。

はっきり言って、100語の英文では、たいしたことは言えません。それを踏まえて何を書くか(and 書けるか)しっかり精選しつつ解答を時間内にまとめたいところです。

 

まとめ

名大英語は2018年から英文和訳の減少、和文英訳の廃止など大きな変化を遂げました。

実際に必要とされる能力が変わるわけではありませんが、良い意味で現代的な良問だと思います。

そういったこともあって、英検などの外部試験対策がそのまま入試対策に結びつくような試験になっています。特に英検準1級をもっていたら名大英語は割と効率よく対策ができると思います。

これからまたどんな変化があるかは分かりませんが、しっかりした英語力が問われることは不変です。とにかく高い語彙力と、普通の文法力、読解力、表現力をしっかり磨いていくしかありません。

 

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